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今日は太輔と別行動。
多分デートだ。
ほとんど一緒に行動してるけど
太輔には彼女がいるから
こんな日もある。
本屋にでも寄ろうかな……
と思ってキャンパスを歩いてると
「ミツ〜っ！」
振り返ると同じ学部の玉森…
玉が声をかけてきた。
大学からの友達だけど
太輔とウマが合わないみたいで
居ない時に一緒に
いることが多い。
「偶然だな、今帰り？」
「うん。ミツがいたから
走ってきちゃった。
ガヤいないんでしょ？」
玉は太輔のことを
ガヤって呼んで今じゃ周りの
みんなもそう呼ぶようになった。
本人はイヤがってるけど
俺はその呼び方が気に入っている。
「太輔いたっていいだろ、
時間あるならどこか寄るか」
「うん！
夜からバイトだから
それまでは大丈夫。
去年もだけど今年は
さらにイチョウがすごいな、
絨毯みたい」
半分くらい落ちた葉は
黄色の絨毯みたいになっていた。
歩くと少しフカフカする程だ。
「そうだな……
これが見られるのもあと2年か、
早いもんだ」
ふと思い出す……
ここのイチョウを最初見たのは
太輔と大学を見学に来た時だ。
はじめて見たキャンパス、
黄金色に輝く葉が散っていく。
その光景は本当にキレイだった。
歩いてると太輔が俺に
『宏光、必ず受かって
来年一緒にここ歩くぞ。
頑張ろうな』
俺はその景色と太輔の気持ちが
嬉しくて───
すぐ返事が出来なかった。
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作者名：yuksa | 作成日時：2020年12月5日 14時
