【ツイステ】学園の華が尊過ぎる件について

君臨ビースト!＿＿3 ページ20

監督生side


「......はっ！本当にちっとも魔力の匂いがしねぇ。

無抵抗の相手を、しかも女を痛めつけるのは気がすすまないんだけどなァ」


「うっ、なんだかわからねぇけど、コイツに睨まれると背中の毛がゾワゾワするんだゾ！」



物騒な言い方をして明らかに悪い顔をした男の人がじりじりと寄ってくるのに合わせて、数歩後ろに下がる。



「このレオナ様の尻尾を踏んでおいてなんにもナシってそりゃねぇだろ？

気持ちよく寝てたところを起こされて機嫌が悪いんだ」


鋭い眼光が私を捉えた。
待って、ちょっとA先輩宛に遺書(ラブレター)書くから待って。


「な、殴られるー！！」

「子分(ユウ)、早くずらかるんだゾ！」



「レオナ先輩！」


その瞬間、強く目を瞑っていた私の耳に天使の声が聞こえる。

いつまでたっても来ない痛みに恐る恐る目を開けると、A先輩がレオナ先輩と呼ばれた獣耳の男性に抱きついていた。


「もー、何やってるんですか。女の子に手ぇ出しちゃだめです」


「...A、遅えよ」


あ、ありのままの光景を話すぜ。
褐色の獣耳イケメンに推しの天使が後ろから抱きついてイチャイチャしてるんだ。



距離感バグってない？とかちょっとムッてしてる先輩が可愛いとか言いたいことは色々あるんですけど、とりあえず見てるだけで天国に召されそうです。


「ごめんね。ユウちゃん。怪我ない？」


「あっ、もう私のこと無視していいのでそのまま続けてもらっていいですか」


死んだような目でグリムに見られるがスルーだ。
私は今この瞬間を目に焼き付けることで精一杯なんだから。

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