恋とか花とか気持ちとか。 4 ページ9
みんなのマドンナトト子ちゃんを好きだと言ったのが気に食わなかったらしく、そこは言及しながら、スマホを操作して検索し始める。
大人しく待っていると見つけたらしく、トド松が声を上げる。
「ああ、あったあった。えっとね、カーネーション全般の花言葉は、「無垢で深い愛」。白いのになると、「純粋な愛」、「私の愛は生きています」だって。へー、なんか全体的に綺麗だね」
花言葉を読み上げると共に聞いてもいない自分の感想を言うと、トド松はおそ松の方を見て言った。
「満足した？」
「うん。ありがとな」
お礼を言うと、トド松は、「どういたしまして」と言ってまたスマホを弄り始める。
「……あ、もう一つあるんだけど」
そこでおそ松はもう一つ聞いておくことがあった、と思い至った。まあ、こちらの方は一笑に付されるようなことではあるのだが。この機会だし、と聞くことにする。
「えー、まだあるの？ ほんっと、兄さん達もスマホ買ったらいいと思うよ」
自分のスマホがいいように使われていることが気に入らないのだろう、うんざりした顔で文句を言うトド松。
「えー、俺買ってもそんな使わねーもん」
「今、ボクのスマホを使ってるじゃん！」
「それはそれ、これはこれ」
「はあ！？」
(こいつもツッコミ多くなったなー、チョロ松御役御免かな。あいつ最近たるんでるもんなー)
そんなトド松を意に介さず、おそ松はいつもの調子で畳みかける。
「まあまあ、トッティ。そんな怒んないの」
「トッティ止めろ！」
挑発をすると、すぐにトド松から否定の声が飛んでくる。それを無視しておそ松は言った。
「でさー、聞きたいことなんだけどさ、口から花吐く病気とかあんの？」
おそ松は意識など全くしていないし、謀ったわけでもないのだが、調べてほしいこと、ではなく、聞きたいことであったことでトド松の表情が緩んだ。しょうがないな、と言うようにため息をつくと、トド松は答える。
「うん。あるよ。都市伝説に近いけどね」
「マジ？ どんなの！？」
そんなことには全く気づいていないおそ松は話に食いつく。まさかあるとは思っていなかったからだ。
「正式名称は嘔吐中枢花被性疾患。通称花吐き病。昔から潜伏と流行を繰り返してきていて、片思いを拗らせると口から花を吐き出すようになるらしいよ。感染経路とか、治療法？ も書いてあった気がするけど覚えてない」
トド松の説明を聞き、本当に御伽噺みたいだな、との感想を持つ。
(だがそれよりも……)
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チョロ松girl⊂⌒⊃ - とても、綺麗な話でした！ そして、色々と考えさせて貰いました。 (2019年7月15日 22時) (
レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 野口さん» 少しでも貴方の考えの参考になったのなら嬉しいです。続編でもよろしくお願いします。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 紫流さん» 私は常々人の心を動かすのが物書きの仕事だと思っています。夢に一歩近づけたかな、と嬉しくなりました。こちらこそ素敵なお言葉をありがとうございます。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 今回のもとても綺麗でおもしろかったです！ (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 新しいの読ませていただきました 今回のは読んでいて、あまり輪廻の話に興味がなかったんですが、来世でもその人を好きでいられるかというのは難しいと思いました。だって逢える確率の方がひくいもん、だから今精一杯の愛を！ってことかなぁと考えさせていただきました (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aster | 作成日時：2016年8月30日 8時
