愛と輪廻は交差する？ 3 ページ40
今に希望が見えないから自分はせめて来世、とこんな質問をしたのだと。おそ松は理解した。
おそ松には今のこの状況に希望が持てなかった。
自分達はまだ二十代前半で、この先カラ松がちゃんとした女の子に恋をして自分と別れて、好きじゃなくなって、カラ松の隣にはその女の子が立つ。そんな未来が容易に想像できて、カラ松の隣に自分がいない、いることができない、そんな未来が来ることが怖くて。自分達の今の関係じゃきっと幸せになることはできないから。だから、と。
でも、今世で幸せになることを簡単に諦めることなどできないから。だから少しでも今の自分の気持ちを伝えたい。カラ松の気持ちを知りたい。共有したい。そんな思いがあるから自分はカラ松に生まれ変わったら、なんて質問をしたのだと。
おそ松はその自分の思いに気づくと、カラ松の思いを全身で受け止めるため、少し下がり気味になっていた顔を上げ、カラ松をしっかりと見た。
カラ松の返答を待つが、カラ松は顎に軽く手を添え、いつまでも考え込んでいる。
「……それはおそ松なのか？」
さんざん考え込んだカラ松がやっと言った言葉はそれだった。
意図が見えない質問におそ松は困惑しながらも、自分なりの答えを言っていく。
「まあ、俺だろうな。俺の魂が入っているんだろうし」
「じゃあ、それはおそ松の容姿をしているのか？ お前と同じ髪質、同じ髪型、同じ目、同じ鼻の形、同じ口、同じ輪郭、同じ体型なのか？ 前、繋いだ手はどうなってる？ 柔らかいけれどその中に硬さはあるのか？」
「いや、それはわかんないけど……。そもそも日本人じゃなくて外国人かもしれないし、よく考えれば人間じゃないかも……」
「じゃあ、性格は？ 今のお前みたいに天真爛漫なのか？ 弟達の金巻き上げてパチンコ行くようなどうしようもないクズなのか？ なんだかんだ言って長男やってるけどそれがどうしようもなく嫌で足掻いているおそ松なのか？」
「いや、そもそも兄弟いないかもしれないし……」
「じゃあ、仕草とかはどうだ？ 照れたり嫌なことがあったりすると鼻の下を擦る癖はどうだ？ あるのか？ 人の名前を呼ぶときに語尾が延びる癖はどうだ？ オレや弟達に名前を呼ばれて、嬉しそうに笑うあの笑顔はどうだ？」
「……それは」
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チョロ松girl⊂⌒⊃ - とても、綺麗な話でした！ そして、色々と考えさせて貰いました。 (2019年7月15日 22時) (
レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 野口さん» 少しでも貴方の考えの参考になったのなら嬉しいです。続編でもよろしくお願いします。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 紫流さん» 私は常々人の心を動かすのが物書きの仕事だと思っています。夢に一歩近づけたかな、と嬉しくなりました。こちらこそ素敵なお言葉をありがとうございます。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 今回のもとても綺麗でおもしろかったです！ (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 新しいの読ませていただきました 今回のは読んでいて、あまり輪廻の話に興味がなかったんですが、来世でもその人を好きでいられるかというのは難しいと思いました。だって逢える確率の方がひくいもん、だから今精一杯の愛を！ってことかなぁと考えさせていただきました (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aster | 作成日時：2016年8月30日 8時
