愛と輪廻は交差する？ 2 ページ39
もし、この関係が知られて弟達に拒絶されるようなことがあったら、おそ松とカラ松は即刻この関係を止めてしまうだろう。
そんな事情もあっておそ松とカラ松の関係は進展していない。デートすることもないし、家族で旅行に行っても二人きりになろうともしない。
もちろん、二人ともお互いのことは好きだし、恋人らしいことをしたいとも思っているのだが、なんせ弟達が第一なものでどちらも弟を優先してしまうのだった。おかげで手を繋いだことが辛うじてあるくらいで、キスをしたこともなければ、もちろん致したこともないのだった。
今日は弟達がそれぞれ出払っていて、カラ松はカラ松girlを探しに行っていなく、おそ松はパチンコにも競馬にも行っていないという、かなり珍しい状況だ。三つの内のどれかが成立することはあっても、三つすべてが同時に成立するというのは六つ子において極まれであった。そんな至れり尽くせりの状況でおそ松が何の期待もしないわけがなく。
だが、カラ松はこの最高と言える状況でも、自分に何のアクションも起こしてこない。おそ松は不満でしょうがなかった。
(……別にイチャイチャしたいとか、進展したいとかそこまで望んでないけどさ！ だけど、少しぐらい俺に構ってくれてもよくない！？ てか構え！！)
こちらの思いに全く気づく様子もなく、鏡から目を離さないカラ松にとうとう痺れを切らしたおそ松はついに口を開いた。
「……なあ、カラ松」
「ん、何だおそ松？」
即座に鏡から目を離し、自分に声を掛けられて嬉しいのか、こちらが恥ずかしくなるくらいの甘く緩みきった笑みで言うカラ松におそ松はたじろぐ。幸せだ、と顔の全体を使って表現してくるカラ松におそ松はもうノックアウト状態だった。
顔に段々熱が集まってくるのをおそ松は感じ、それを振り切るようにカラ松に話しかける。
「あのさ、もし、俺達が生まれ変わったらどうする？ ……また、俺と恋をしたいか？」
おそ松の言葉にカラ松は首を傾げる。真意を掴み損ねているようだった。
だが、カラ松だけでなく、当の本人もなぜ自分がそんなことを言ったのかわからなかった。いくら輪廻転生の話をテレビで話していたとはいえ、なぜ自分はこんな質問をしてしまったのだろう。
そう自分に問いかけてみると、おそ松は一つの答えを導き出した。
(そっか、俺は不安なんだ)
自分とカラ松は男で、兄弟で。自分よりカラ松にはちゃんとした女の子の方がいいんじゃないかって。
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チョロ松girl⊂⌒⊃ - とても、綺麗な話でした！ そして、色々と考えさせて貰いました。 (2019年7月15日 22時) (
レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 野口さん» 少しでも貴方の考えの参考になったのなら嬉しいです。続編でもよろしくお願いします。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 紫流さん» 私は常々人の心を動かすのが物書きの仕事だと思っています。夢に一歩近づけたかな、と嬉しくなりました。こちらこそ素敵なお言葉をありがとうございます。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 今回のもとても綺麗でおもしろかったです！ (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 新しいの読ませていただきました 今回のは読んでいて、あまり輪廻の話に興味がなかったんですが、来世でもその人を好きでいられるかというのは難しいと思いました。だって逢える確率の方がひくいもん、だから今精一杯の愛を！ってことかなぁと考えさせていただきました (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aster | 作成日時：2016年8月30日 8時
