恋とか花とか気持ちとか。 24 ページ29
ああやっぱりそんな感じになるよねー、と予想していた通りの答えが返ってきて、諦めるのが最善と言われても、そこまでおそ松は傷つくことはなかった。
しかし、次の一松の言葉に、おそ松は固まった。
「だってやっぱり嫌でしょ、そういうの。BLとかさ、理解できるわけないよね。しかも兄弟にとかさ」
「……やっぱりそうだよなー！ うん、あいつにはなんとかするようちょっと言ってみるわ。ありがとな、一松ー。やっぱりお前は最高だよー」
一松に近づき、前してあげたのと同じように両手で頭を挟んで、頭を撫でてやる。一松は嬉しそうに目を細めると、「まじすか。あざーす。あざーす」と言う。
(そうだよ。わかってたことじゃねえか。男に、ましてや兄弟に恋をするなんておかしいって。わかってたのに、何で俺は、いつの間にか理解してくれるって期待しちまってたんだろう……)
理解していたのに、いつの間にか期待してしまっていた。そんな事実におそ松は、打ちのめされていた。そして、間接的にでも、兄弟に拒絶されたという事実にも。
四度目に、柿の花を吐いたことがあった。実は見たことがあると言っても柿の花など見たことがなかった自分は、トド松にあのアプリで調べさせた。出てきたのは、柿の花、という情報。
当然訝しがられた。こんなものどこで採ってきたんだ、と。なぜこれが柿の花だと知らなかったんだ、と。
幸い、後者の方は自分の知識の浅さですぐ済んだ。花を採ってきた、ということはまだ実はなってなく、わからなかったんだろうってことも考慮された。
前者の方も、花言葉があるのか知りたかったのだ、と言うと一応納得してくれた。
でも、今でも時々、玄関の柿の花を見て、首を傾げている。ちなみに、柿の花の花言葉は、「広大な自然の中で私を永遠に眠らせて」だった。
(そうだ、トド松のこともある)
ありったけの理由をかき集める。
撫でられて気持ちよさそうにしている一松を見つめた。
(もう、潮時だ)
決意を固めた。
(……この想いを消し去ろう。明日の夜、吐いた花を全部燃やして、それで消し去るんだ)
弟達のために。カラ松のために。
おそ松は決めてしまった。
(＿＿明日の夜がこの恋のタイムリミットだ)
自分の幸せなど微塵も考えずに。
.
「カラ松ー、たまにはお兄ちゃんと二人で釣り堀行かね？」
朝起きて六つ子全員で着替えた後、おそ松がカラ松にそんな言葉を言った。
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チョロ松girl⊂⌒⊃ - とても、綺麗な話でした！ そして、色々と考えさせて貰いました。 (2019年7月15日 22時) (
レス) id: d9fccfe3cd (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 野口さん» 少しでも貴方の考えの参考になったのなら嬉しいです。続編でもよろしくお願いします。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
Aster - 紫流さん» 私は常々人の心を動かすのが物書きの仕事だと思っています。夢に一歩近づけたかな、と嬉しくなりました。こちらこそ素敵なお言葉をありがとうございます。 (2016年12月11日 18時) (レス) id: 7de9db5b63 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 今回のもとても綺麗でおもしろかったです！ (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
野口 - 新しいの読ませていただきました 今回のは読んでいて、あまり輪廻の話に興味がなかったんですが、来世でもその人を好きでいられるかというのは難しいと思いました。だって逢える確率の方がひくいもん、だから今精一杯の愛を！ってことかなぁと考えさせていただきました (2016年12月7日 8時) (レス) id: 1de2cb0f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aster | 作成日時：2016年8月30日 8時
