【東京喰種】君がもし僕の正体を知ったなら

その7 ページ8

月「僕は人間を喰べるモノとしか見ていなかったと思う。…だが彼女は違った」

錦「…」

月「僕は一体どうすればいいんだ？…」

錦「…月山」

月「…？」

錦「俺はお前を許す気はねぇ」

月「…ああ」

錦「お前一人で考えろ」

月「…うむ…」

錦「あー…これだけは言っとくけど」

月「…なんだい？」

錦「俺と貴未は特別だ。お互い何者だか分かって付き合ってる。ホントは駄目だけど…それを覚悟して一緒にいる…でもお前は違うだろ？…だからくれぐれも自分の正体はバラすな」

月「そんなの…分かっているさ」

錦「俺達に迷惑かけるとか…たまったモンじゃねぇしなぁ」

月「…錦くん」

錦「あ？」

月「ありがとう」

錦「よ、用済みならとっとと帰れクソ美食家！！」

月「ハハハｯ！言葉遣いがdirtyだよ錦くん！霧嶋さん、コーヒー美味しかった…また来るよ」

ト「けっ…もう来んなクソ野郎」

僕はあんていくを後にした。

霧嶋さんと錦くんの話を聞いて何かホッとした気分だ。
うーん…そうだね…
僕は何を悩んでいたのだろう。
今まで考えていた自分が馬鹿馬鹿しくなってきた。
人間でも喰種でも関係ない…か…
なるほどね…


美「あれ、月山さん…だっけ？」

月「…！おや？君は…Aさんのfriendだね!?」

美「美代でいいですよ…あの、月山さん」

月「？」

美「あなた、Aに変な事しないで下さいね」

月「変な事？」

美「Aに手出したら殴りますから」

月「…!!!仲良くなりたいだけなのに君に殴られなければならないのかいっ!?!?」

美「仲良くするだけならいいけど…Aを傷つけたり悲しませたりしたら…殴ります」

月「そ、そんなことしないさ…僕はAさんの事、知らない部分がたくさんあるんだ」

美「…か？」

月「…ん？」

美「Aの事…好きなんですか!?」

月「なっ…何を言ってるんだい!?僕先ほど知らない部分がたくさんあるって言ったばかりではないかっ！！！！！！」

美「好きだから…知らないこと知りたいって思うんじゃないんですか？」

月「そ、そういうものなのかい？僕は『好き』という感情がよく分からない…体験した事がないからね」

美「…じゃあ初恋ですね！？そうなんですね！？」

月「だ、だから!!まだ何も言ってないだろう!?」

なんていう目なんだ…
バレているのか？
いや、そもそも好きかなんてまだ分かってないじゃないか…

月「よ、用事があるのでここで失礼するよ！」

美「あ、ハイ」

この女、厄介だな…

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