【東京喰種】君がもし僕の正体を知ったなら

その14 ページ18

美代side

美「こ、こ…来ないでっっ!!!!!!」

私、まだ死にたくない。
喰種に殺されて死ぬなんて嫌。

逃げた先は行き止まりで、壁だった。

もう終わりなんだね、私。
まだたくさん生きていたいのに。
…お父さん、お母さん、ごめんなさい。
親孝行とか全然しなかった。
こんな事がなかったら親に何かするなんて思いもしなかったかもしれない。

月「覚悟したまえ」

美「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

何もかもスローモーションで動く。
思わず目を瞑る私。
とても大きな音。
胸のど真ん中に尖ったものが当たる。
さっきの赫子ってやつかな？
このまま刺されるんだね。

でも、いっこうに痛みを感じない。

もしかして、もう死んじゃった？
だから痛みがないのかな。

私はかたく閉じていた目を少しずつ開けた。
ぼやけた景色がだんだんとはっきりする。
目の前には月山が下を向いている。

私の胸のど真ん中には赫子が






刺さっていない…？

月「…」

美「どう…して？」

何で殺さないの？さっきまで殺す気満々だったじゃん。

月「ハァ…ハァ…ハァ…」

美「何で殺さないの？」

月山は私の胸にあった赫子を下ろし、
その場にへたりこんだ。

私も全身の力が全て抜けたように
すとんと座り込んだ。

月「美代さん…」

月山の右手を包んでいた赫子が消えていく。

月「すまない…」

さっきまで整っていた前髪が乱れて目が隠れている。

月「…君がいなくなれば…Aさんが悲しむ。Aさんにとって君はかけがえのないfriendだったからね。君をさっきまでは本気で殺すつもりだった。…でも…君の胸を突き刺す前にAさんの顔が僕の頭を過ぎったんだ。僕は君のおかげで大切な事に気づいた。Aさんが好きだ。守りたい。だから…」

月山は左膝を地面についた。

月「僕が喰種だという事は誰にも言わないではくれまいか…」

月山は泣いていた。
コンクリートの地面に涙がポタポタ落ちていく。

美「…」

月「お願いだ、美代さん。今回の僕の行動が許されてるとは思っていない。承知の上だ」

私はコイツを許していいのだろうか。
いや、許すとかそういう訳ではない。
もしAを傷つけたら…すぐCCGに通報しよう。

Aもコイツがいないとある程度寂しいだろうし。









美「分かりました」

作者からまたもやすいません(;_;)→←何度もすいません。

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