トラウマ ページ7
梅｢なんにも変わらないんじゃない？｣
なんて無責任な。だったら話さなくていいじゃん。
梅｢でもこれから先どうするかは考えられんじゃん。｣
俺より頭いいくせにそういうところ頭硬いよねってなんかディスられた。
まぁいいや。どうせ引かれるだろうし。私とももう関わりたくないって思うでしょ。それはそれでいいや。
ume side
貴方｢高校一年生の頃からずっと仲良くしてくれてたじゃん。私と。｣
仲良くしてたんじゃない。趣味の話も合うし話してて楽しいし何より居心地が良かったから一緒にいた。それだけ。謙遜してんのかAは仲良くしてくれてたって言ってるけど俺からしたらそうじゃない。
貴方「梅、モテモテだったじゃん。女の私が梅と仲良くしてるのを嫌がる人もいて、私それわかってたけど梅と話すの楽しいし、特に何もされてなかったから気にしなかったの。」
貴方「梅が休んだあの日の放課後、1年の時同じクラスだった女の子に誘われてカラオケ行ったの。そしたら見たことない男性4人もいて、襲われたんだよね」
握る拳に力が入った。
なんか、こう、なんて言ったらいいか分からないけど感情がぐちゃぐちゃになって、ふと思い出した。
前にAに「だからまだ処〇なんだよ」ってからかった時ふと一瞬顔色が変わったことがあった。
でもそんなの一瞬ですぐいつもの笑顔になって「うるせーわ」って言われたけど。だからその時はあんまり気にしてなかった。
あの日、俺が休まなきゃAは何もされなかったかもしれないって休んだ自分を責めた。
貴方「ほら、だから嫌だったの。梅、絶対自分を責めるだろうなって。だから言いたくなかったの。1週間休んでメンタル回復したから平気。別に今はそんな気にしてないし。」
平気って、
｢気にしてないって……今でもご飯断るのは｣
貴方｢まぁ、多少のトラウマはあるけど、いや〜女の子に連れてこられたのはきついよね〜｣
だから1人でも男がいるところに来なかったのか。
分かってる。別に信用してないとかそういうのじゃないって。
あははwって笑ってるAを見て悔しくなる。
こんなことを今まで1人で抱えてたのかって。
貴方「引いたでしょ。気持ち悪いよね。知らない男の人に交代交代で……。」
そう言うAの顔は引きつってて苦しそうで抱きしめたくなった。
｢引くわけない。ありがとう話してくれて。｣
正直、軽い気持ちで聞こうとしてた自分をとりあえずぶん殴りたいところではある。
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作者名：ふわり | 作成日時：2021年2月16日 22時
