第27話 ページ28
驚きの声を上げると真っ直ぐな目をした迅さんと目が合う
揺らがない綺麗な薄い青眼が私の中に吸い込まれそうになる
迅「……Aちゃんは優しいから他人の心を読んでしまうことに罪悪感を感じている。だから、読んでしまっても口に出さず、その人の苦しみも敢えて口にせず、自分の中に溜め込んでしまっているんだろ?」
貴「・・・・・・それは・・・」
迅「おれはAちゃんにそんな思いしてほしくない」
貴「……でも!」
迅「だったら……おれに…辛いこと全部吐き出してくれないか?」
貴「……!」
どうしてこの人は私のことをこんなにも考えてくれるのだろうか・・・・・・
迅「おれは、Aちゃんの力になりたい……。少しでも楽にしてあげたいんだ」
貴「……迅さん…」
迅さんは本当に私の事を思って言ってくれている
私を助けたい、力になりたい、楽にしてあげたいと……
貴「………っ…グスッ…………」
迅さんの気持ちに自然と涙が流れ出た
父と母がいなくなり、本当に自分のことを考えてくれる人はもういないと思っていた
だけど…迅さんは違う…
迅さんは…私のことを考えてくれていた………
いつぶりだろうか………こんなに泣いたのは
声を押し殺し泣いていると迅さんがそっと優しく抱きしめてくれた
すごく温かい迅さんの腕の中…
しばらくして泣き止むと迅さんの腕が緩み顔を上げる
細長い迅さんの指で涙を拭がれ、落ちついたかと聞かれ頷く
貴「………すみません、ありがとうございます」
迅「いいっていいって。言ったろ?力になりたいって」
迅さんは本当に優しい人だ
遊真くんのことだってそう、会っても間もない子にも疑惑を持たずにボーダーへ迎え入れた
この人はすごい…
貴「……はい」
迅「フッ……それに…
Aちゃんには笑顔でいてほしいんだ」
貴「……っ//!」
あれっ…顔が熱い…
何だろう…これ、というか…すごく恥ずかしい………//
ピリリリリ
途端に迅さんの端末が鳴り始め、回されていた腕が離れていく
電話を終えると林藤支部長からとの事で、遊真くんと修くんを支部長室へ連れて来くるよう頼まれたらしい
迅「じゃ、行こっか」
貴「はっはい・・・!」
・・・さっき・・・・・すごく迅さんが格好よくみえたのは……
気のせいかな……//
ラッキーアイテム
デニムタイトスカート
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鈴乃(プロフ) - すごく面白かったです!あと、16ページの損得のとくは特ではなくて得だとおもいますよ!これからも頑張ってくださいヾ(・ω・ ) (2015年8月7日 23時) (レス) id: 6c27269f36 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - おもしろい!!ワートリいいですよねー(・∀・) (2015年6月20日 15時) (レス) id: dcc679cfe7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - すごく面白かったです!あと、設定の「強力」が「協力」になってましたよ! (2015年4月9日 16時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
ティア(プロフ) - Hinataさん» ありがとうございます!お読みいただいて光栄です!頑張らせていただきます! (2015年3月1日 4時) (レス) id: e80d1d9af8 (このIDを非表示/違反報告)
Hinata(プロフ) - いつも楽しく読んでます。本当に面白いです!これからも頑張って下さい。楽しみに待ってます! (2015年1月8日 12時) (レス) id: 41454c69c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティア | 作成日時:2014年12月13日 13時