可愛い僕【黒子のバスケ】【悪男主】

可愛いが12つ ページ13

『いっ...』



朝練後



いつも通り、靴箱を開けて上履きを取った時
人差し指に何かが刺さった



画鋲...



踵の内側の部分に、テープで貼られた画鋲が2つ並んでいて
流れ出た赤い血が少し上履きに滲んだ



「どしたのAちん」



反対側の靴箱から出てきた敦がスナック菓子を口にポイポイ入れながら僕の顔を覗き込む




見られるタイミングはここじゃないな



皆がいる前でのほうが、効果はあるし




バレないように右手を隠し、なんでもないよとそう言った



『敦、先に行っておいてくれる？
職員室に用事があるんだ』



「ん〜、おっけ〜。じゃあまたね、Aちん」



手を振りながら、去っていく敦の後ろ姿を見たあと
胸ポケットに入った絆創膏を取り出して指に貼った


　
クスッ



と、自然と自分の口角が上がるのが分かる



いいね、こういうの



小さいことかも知れないけど
これがどんどん大きくなっていって
僕の味方が減る
だけど、最終的には僕のハッピーエンドで終わる



典型的なパターンだよね
僕の場合、味方が減るのはありえないけど




そのとき、僕は間違っていることに気づかなかった




これも海崎くんの仕業だと決めつけていたことに

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