51.実習生 ページ1
「…Aさん？」
私は不意に名前を呼ばれて声のする方を見る。
覚えのない顔に
酷く動揺してしまった。
「君が教育実習生の」
「はい。廣屋 稜太(ひろや りょうた)です。
来月からよろしくお願いします。」
すらっと背が高くて
どことなく可愛らしさのある顔立ちをしている。
目の下の黒子が特徴的で
人の良さそうな感じだ。
「そうか！よろしくな！
俺はこの学校の歴史科教師の煉獄杏寿郎だ。
A先生は知り合いなのか？」
二人が話している間も思い出そうと
頭の中の記憶を辿るが…
一向に分からない。
「…本当にごめんなさい。
大変失礼なことに思い出せなくて…」
私がそう言うと、廣屋先生は眉を下げる。
「いえ、大丈夫ですよ。
僕、Aさんの大学の後輩なんです。
Aさんが大学4年生の時、僕は1年で、
よく図書館で会っていたのですが…」
大学の図書館…
確かに大学4年の時は採用試験の勉強で
よく図書館に行っていたなあ。
「…あ！！
うん！分かったよ！
よく私の後ろの席で勉強していたよね？」
「はい！！」
廣屋先生は顔いっぱいに笑う。
「1年生の時からよく勉強していたよね！
そうか〜、もう3年生になったんだね！」
「はい！まさかここでAさんに会えるとは！
Aさんは大学で有名でしたからね。
光栄です！」
え！？私って有名だったの！？
変なことで名が知られていなければいいけど…
「有名だなんて知らなかったよ。
一体どんなことで！？」
「教育学部じゃ知らない人はいなかったですよ？
美人で、優しくて、高嶺の花って！」
「え！？」
「ははは！
さすがA先生だな！
懐かしい話に花を咲かせているところだが、
そろそろ校長に挨拶しに行こう！」
廣屋先生は杏寿郎さんに促されると
校長室へと向かった。
私は保健室に戻ると、
マグカップに入っている紅茶を一口飲む。
ふと、カレンダーに目をやり、行事の確認をする。
「体育祭…」
来週は中高一貫で体育祭が実施される。
ケガが少なければいいけれど…
放課後の校舎は
吹奏楽部の楽器の音や
教室から響く生徒たちの話し声、
体育館ではバスケ部やバレー部の靴が床に擦れる音、
さまざまな音が転がっている。
みんな生き生きしている。
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狐姫(プロフ) - 映画好き人間さん» 楽しんでいただけて光栄です！質問についてですが、お褒めにあずかり恐悦至極に存じますが、全くの一般人です。空想妄想で物語を作るのが好きなので、浮かんだ言葉や設定を繋ぎ合わせております。本当、勿体無いお言葉をありがとうございます。 (7月27日 10時) (
レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
映画好き人間 - 毎日楽しく読ませていただいてます。作者さんの書く煉獄さんは本物の煉獄さんで大好きです。内容も素敵ですし、胸をときめかせながら読んでます。単純な質問なのですが、もしかして小説家ですか？ 小説の内容も表現も凄くて、売られてる小説ぐらい上手ですので……。 (7月26日 13時) (レス) @page48 id: f9c87e3b18 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - nkmrさん» こちらこそ、お読みいただきありがとうございます！寒い時期の温泉良いですよね( ˊᵕˋ ) 続編も引き続きお楽しみください！ (2021年12月30日 10時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
nkmr(プロフ) - 年末の忙しい時期に更新ありがとうございます。続編も楽しみにしてます(･◡･)私も先週温泉に行ったので情景が浮かんでより物語に入り込んじゃいました(*´꒳`*) (2021年12月30日 2時) (レス) id: 1ab27b7589 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - みいさん» みいさん、いつもありがとうございます！デレてもらえるなんて嬉しいです。こっそりデレちゃってください( ˊᵕˋ ) (2021年12月19日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐姫 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/kohime_yume
作成日時：2021年12月1日 20時
