好きで、ごめんね 2

恋の始まり 2 ページ20

山畑side

それからというもの、島原と一緒にいる時間が楽しくなって、その時だけ森川のことが少し頭から離れる。でも、やっぱり拭えなくて。それでも僕はそれにすがるように、一緒にいるようになった。

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部屋のドアを開け、学ランを脱いで部屋着に着替え、ベッドに倒れこむ。心の中にある人物を消して、彼女に想いをはせる………。本当にOKしてよかったんだろうか。今更ながらにそう思った。告白してくれて嬉しかったのも、付き合いたいと思ったのも事実。でも、他の人が心の中にまだいるのに……そんな罪悪感が胸を突き刺す。ごめんね……島原。もう少ししたら、きっと忘れられるから……。

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貴女side

佑「A〜〜！！！」

私はあの場で10分程泣きじゃくってから、桃と2人で校門前に出た。その後、すぐ佑生が私にそう話しかけた。

貴「ん？」
佑「帰ろう？ 報告があるの！」

佑生はいつもよりも可愛い笑顔でそういった。複雑になってから、それをかみ殺して笑顔で言う。

貴「うん、帰ろっか！ 報告って？」
佑「後でね！」

そっと後ろを振り返ると、桃が頑張れ…！とグッドサインを出してくれていたので、ずっと私もグッドサインを返した。

佑「どうしたの？」
貴「ううん、何でもない」
佑「そう」

ルンルンルンルン、佑生は進んでいく。私はその後ろを落ち込んでいるのがばれないようについていく。

佑「そうそう、報告はね………」

佑生は私と歩調を合わせて、話し始めた。少し顔を赤く染めながら。私は聞きたくなかった。耳をふさぎたかった。でも、笑顔で聞く。相槌を時々打ちながら。

佑「………というものです！」
貴「おめでとう、お幸せに！」
佑「ありがとう！」

おめでとう、でもごめんね、まだ心から祝福できないや。

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