拾肆枚 ページ13
背後でジュッと禰豆子が灼ける音がした。
禰豆子「ギャッ」
竈門「禰豆子！！」
慌てて禰豆子に覆いかぶさる。
竈門「縮めろ！！体を小さくするんだ！！縮め！！」
禰豆子「ううっ……」
しかし禰豆子はどんどん日光に灼けていく。
まだ陽が昇りきってなくてもこれほど……！！
「わあああ！！」
鬼に襲われる里に人の声が聞こえる。
まずい！！誰か……
だけど玄弥も時透君もAも崖の上。
無理に決まってる崖の上からここまでなんて
そうだ、あの鬼も朝日で……
駄目だ！！その前に里の人がやられる
禰豆子を抱えての移動じゃ間に合わない……
ああ……ああ！！
駄目だ決断できない
決断……
A「炭治郎さん！！」
崖の上からAの声が聞こえた。
A「禰豆子さんは大丈夫だから早く行って！！」
その言葉を聞いた時、Aからもらった珠世さんの手紙の内容を思い出した。
竈門「禰豆子……」
するとドンっと衝撃が走る。
禰豆子が俺を蹴り上げたらしい。
竈門「っ……！！」
笑って俺を見送る禰豆子の姿が見えた……
グッと覚悟を決める。
嗅ぎ分けろ
遠くには逃げてない。
本体がいきなり遠くへ離れたなら匂いで気づいたはず。近くにいる。
どこだ
匂いで捉えろ
形を色を
まだ鬼の中にいるな、そうか
もっと
もっと鮮明に
もっと
見つけた
心臓の中
今度こそお終いだ、卑怯者。
悪鬼！！
「うわああ、駄目だ！！駄目だ！！」
「追いつかれ……」
ドン、と背後から刀を入れる。
竈門「命をもって
罪を償え！！！」
そう叫んで刀を振ると今度こそ、鬼の頚が斬れた。
鬼が塵になるとその場で倒れる。
勝った……
禰豆子を犠牲にして……
日の光に焼かれて禰豆子は骨も残らない……
「竈門殿、か、竈門殿」
名前を呼ばれて少し上を見ると里の人が後ろを指差していて、そっちを振り返る。
すると、
竈門「…………！！」
禰豆子「お、お、おはよう」
日の光の下を歩いている禰豆子がいた─────
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廻齲 - 初コメです。いつも色々な作品を楽しみにしてます。頑張ってください！出来ればカナヲを出して下さい。 (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 7fa18fb379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2020年5月4日 11時
