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「え、そうなんですか？」
「うん。俺ね、お菓子の専門学校行くんだ。ショコラティエになんの」
「……ショコラティエ……」
「あはは、意外？ これでも家庭科はずっと５なんだよ」
天童さんがお菓子を作っているところがまるで想像できない。でもわりと器用だし……。今のうちに予約しとけば天童さんのチョコ食べれるのかな。あ、やばい。ヨダレが……。
その後、選抜合宿の体育館に行っても天童さんのチョコレートを考える度にヨダレが出そうになった。私、こんなに食い意地汚かったっけ……。
＊
「…………」
「烏野の10番がそんなに気になるかよ？」
「うぉ」
いきなり瀬見さんに話しかけられ、思わず変な声を出してしまった。……そう。私が今まで無言で見つめていたのは烏野の10番こと日向翔陽。
「……最初、しんどくないのかなって思ったんです」
影山はユースに呼ばれ、同期の烏野の11番は選抜合宿のメンバーに選ばれた。
選ばれず、認められないということはしんどい。それは中学時代の影山や及川さんを見ていて何度も思ったこと。
劣等感とか感じないのかなって。少なくとも及川さんはそうだった。
「でも杞憂だったみたいで。アレも才能なんですかね」
きっと日向翔陽の中にあるのは、強さへの渇望。執着。
……でもいくらなんでも、あんなに真っ直ぐにコートの外側から見れるものだろうか。
「コートから見る景色と、外から見る景色だと、気づけることにかなり差があるんだよ」
「……と言いますと」
「試合中とか、特に強い奴が相手だと、コートにいるとあんまり余裕ないんだよな。ボールばっかり追っちゃうから。でもコート外にいると、冷静な頭で全体の情報を処理できる。あいつレシーブうまいな、ブロックうまいな、どうやってんだろって注意深く観察できる。烏野の10番もそれに気づいたんじゃねえかな」
瀬見さんのそれを聞いてから再び日向を見ると、確かに視線をキョロキョロと動かして観察していた。真っ直ぐに見えた視線は、本当は広く広く見渡していたみたいだ。
「そうなんだ……」
あとでノートに書いておこう、と心のメモに焚きつける。
強いところにいても、学ぶことがいっぱいだ。いや、強いところにいるからこそかもしれない。
「……いいな」
日向を見てそう呟くと、瀬見さんは何も言わなかった。その代わり私の頭を、髪の毛を巻き込んで思いっきり撫でてきた。
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昆布の神(プロフ) - いよかん。さん» コメありです！ 頑張りますね！💪 (3月25日 8時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
いよかん。 - 赤い星おめでとうございます！！ これからも楽しみにしてます！！ (3月24日 19時) (レス) id: e0560282da (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - とくめーさん» コメありです！ そう言っていただけてめーっちゃ嬉しいです🥰 面白いお話を書けるよう頑張りますね！ (3月24日 7時) (レス) @page43 id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
とくめー - めっっっっちゃ面白いし投稿頻度高めなのすっごい最高です。めっちゃ好きですこの作品愛してます💕 (3月23日 22時) (レス) id: 70b13c5b03 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 葉華さん» コメありです！ 鬼滅書いてたの懐かしいです笑 そう言っていただけて嬉しいです🥰 新学期の準備もありますし、お互い体調には気をつけましょう。お気遣いありがとうございます！ (3月19日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年3月9日 14時
