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入学したばかりの葉山は、精神的にもかなり疲弊していたはず。だから自分の意思でバレー部の見学に来なかった。
にも関わらず再びマネージャーとしてバレーボールと関わるきっかけを作ったのは、バレー部に葉山を誘ってきた五色。アイツのことだし、そこに深い理由は無いだろうが……。
同じ学年。同じクラス。お互い唯一無二の立場。
そしてお互いの呼び方は名前。……思い返してみれば、葉山が名前で呼んでいるのは五色だけだ。
北一出身のヤツらでさえ、『及川さん』とか『岩泉さん』とか、『影山』などと呼んでいる。
白鳥沢のバレー部では先輩に対しては当然のように苗字にさん付けだし、
「……」
感情が絡まった糸のようにわだかまりになる感覚。
それが気持ち悪くなって、俺は太一に「一番仲良しじゃなくて残念だったな」と八つ当たりした。
「まあアレは冗談じゃん。タメの関係には勝てないっしょ。ていうか、残念なのは賢二郎のほうじゃね？」
「……は？」
「最近Aちゃんのこと気になってたんじゃなかったの？ 春高予選のあと、Aちゃん目がパンパンだったじゃん。みんな敢えて触れてなかったのに、賢二郎だけ話聞いてたし」
「聞いてたのかよ……」
表彰式のために会場に戻ってきたときには、既に葉山の目は腫れていた。眠たげな印象があったその瞼は、どれだけ泣いたのかと心配になるほどパンパンに腫れあがっていた。
その涙の本当の意味を、俺達は知らない。
「……気になるって、そういう意味じゃねえし」
インターハイ。試合後に熱くなったあの頬の記憶を頭から一度かき消してそう言った。
「
四月から、何も変わっていないもの。
葉山は俺達をいつも一歩引いたところから見守っていて、それは葉山なりの気遣いでもあるだろうけど。
「自分の本音は誰にも何も言わない。他人のことを考えすぎて何も言えなくて、結局一人で泣いてる。……あの目が一番の証拠だろ」
「……」
葉山は嘘をつかない。それだけは信頼している。
もしも話を聞くことができたら、それは絶対に紛うことなき葉山の隠された本音だ。
「……涙の理由を知りたいっていうのも、それなりに特別に思ってる証拠だと思うけど？」
太一が静かに言ったが、俺は何も言わなかった。
その感情の名前に、興味なんて無い。
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昆布の神(プロフ) - いよかん。さん» コメありです！ 頑張りますね！💪 (3月25日 8時) (
レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
いよかん。 - 赤い星おめでとうございます！！ これからも楽しみにしてます！！ (3月24日 19時) (レス) id: e0560282da (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - とくめーさん» コメありです！ そう言っていただけてめーっちゃ嬉しいです🥰 面白いお話を書けるよう頑張りますね！ (3月24日 7時) (レス) @page43 id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
とくめー - めっっっっちゃ面白いし投稿頻度高めなのすっごい最高です。めっちゃ好きですこの作品愛してます💕 (3月23日 22時) (レス) id: 70b13c5b03 (このIDを非表示/違反報告)
昆布の神(プロフ) - 葉華さん» コメありです！ 鬼滅書いてたの懐かしいです笑 そう言っていただけて嬉しいです🥰 新学期の準備もありますし、お互い体調には気をつけましょう。お気遣いありがとうございます！ (3月19日 6時) (レス) id: aca7717c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年3月9日 14時
