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瀬見 side
「うーみー！！」
ビーチで天童がはしゃいだように叫んだ。
インターハイが終わり、久しぶりのオフ。夏休みだし、夏らしいことがしたいということで、打ち上げの意味も兼ねてバレー部の来れる奴を誘って海へやってきたのだが……。
「えーっと、Aちゃんだけまだ来てない？」
「だな」
今日は現地集合。Aだけがまだ来ていないことに、獅音が「珍しいな」と目を丸くした。
「時間には厳しいイメージあったんだけど」
「水着選びに迷ってたんじゃない？」
「ンなデートでもあるまいし……」
部活中に着ている、岩泉からもらったという文字入りTシャツを見る限り、寧ろどちらかというとファッションには無頓着な方だろう。
「……アレ、葉山じゃないですか？」
「んえ？」
白布が日差しを遮るため手で目の上を覆いながら言った。白布が見ている方を振り返ると、確かにそこには黒のキャップを被った見慣れた銀髪の後ろ姿……。
「ワーオ、外国人に絡まれてる」
天童が呑気に言った。
Aの前には、男女の外国人カップル。
尚、Aの服装は白の無地のシャツにハイウエストの黒いスカート。派手を避けたシックな色は如何にもAらしい。
というか、あれ振り向いたら“根性論”とか書いてあったりして……。
「きゃ……」
Aの小さな声が聞こえた気がした。
その
「
＊
A side
「Je viens de France. Savez-vous où se trouve cet hôtel ?」
ヤバい。
バレー部で遊ぶというのでやって来たビーチ。
時間前にはついていたはずだが、目の前の外国人カップルに声をかけられていつの間にか集合時間を過ぎてしまった。
何か訊ねているのはわかるんだけど、何を言っているかわからない。
「…………きゃ、
英語は苦手ではないし、英語で会話ができればなんとかなるかもしれない。訊いてみると、カップルの男の方が口を開いた。
「No!!!」
Noーーーー！？
Noは英語だ！ あっ、いや、ホントに基礎的な英語しかわからない感じ？ 英語は世界共通語なのに……。
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作者名：昆布の神
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時：2024年1月12日 2時
