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『最初はさー……好奇心? みたいな』
『博士にポケモン図鑑の完成を頼まれたのが、旅を始めたそもそもの始まりで……ポケモンジムの挑戦は、ジュンが「強いトレーナーになる」って言ってたから、その影響で……みたいな。けっこう不純な動機だったんだ』
『でも今は、ポケモン達と一緒に強くなれるのが嬉しい。強くなることで、本当は見ることもなかったような景色が見えて、楽しいんだ』
コウキもAも、始まりは同じただの“好奇心”だったはずなのに、彼らがお互い進む道はこんなにも違う。
自分で敷いたレールを歩くコウキと、
他人に敷かれたレールを歩くA。
始まりは同じはずなのに自分とは違ってあんなにも輝かしいコウキに、無意識のうちにAは憧れてしまっていたのだ。コウキのように明るい未来が欲しいと、心が叫んでいた。
そのことに、Aは気付かないふりをした。一生懸命蓋をした。
『ウラヌスは、何のためにギンガ団にいるんだよ』
『自分の存在価値を見誤らないため』
それもそう。でももっと大事なものが、コウキには言えなかった大事なものがあった。
『私の生き方が間違っていると思うなら、“伝説ポケモンを守ってギンガ団を邪魔”して。それが私を否定することになる』
自分はコウキに否定して欲しかったのかもしれない。
Aは、そう考えるのが嫌だった。
世界に反抗しながらこっちに来たのに、今までの自分の反抗がすべて無駄だったみたいになるのに、なのに否定してほしいだなんて、認めたくなかった。
でも、わかっていた。わかってしまった。
コウキと出会ったことで見つけてしまった。
Aが、本当に欲しいもの。
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誰もいない真っ暗なアジトというのはどこか不気味だった。
ようやく電気がついたが、サターンが内側から部屋に鍵をかけて二人きりの密室になってしまったため、結局不気味さは変わらない。
「今日、アカギ様から通達があった」
サターンがAに一歩近づくと、Aが小さく肩を揺らした。
普段は仏頂面のくせに、彼女は今に限ってどこか怯えたような目をしている。
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もうすぐ山場のはずなのに、サターン様と夢主の間に恋愛フラグ立たなすぎて焦ってます。
あれおかしいな。こんなはずじゃなかったのに。
サターン様の執着がとんでもないですけど、決して彼はヤンデレではありません(重要)。
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年1月26日 20時