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浜辺で会った謎のポケモンのあとを追いかけていくと、行き止まりにぶち当たった。……あのデルビル達はどうやって戻っていったんだ?
「別の道探して……」
言いかけた途端、謎のポケモンが行き止まりの壁を壊した。往く道を阻む壁が瓦礫となってぼろぼろと崩れていく。
「うぉ」
あまりの力の強さにそれ以上の言葉が出ず、呆然としていると、謎のポケモンはさっさと先に行ってしまっていたので、慌ててそれを追いかける。
洞窟の壁には緑の宝石のようなものが所々にある。元々鉱山として人々が宝石を採掘していたりしたのだろうか。
……そういえば、ネモに何も言わずここまで来てしまった。今頃心配しているかもしれない。
悪いことしちゃったな、と考えていると、頭上から「おーい!」とネモの声が聞こえた。
「ハルトー!」
「ネモ!」
上を見上げると、捜しに来てくれたのか、洞窟の穴からネモの姿が見えた。ネモがぼくに気づくと、焦燥溢れる顔が落ち着いたように和らいだ。
「いた! ハルト! 大丈夫!? 怪我してない!?」
「大丈夫!」
「よかった! 本当に心配した……! 私が声の出どころ探そうとか言い出したから……」
「それはネモのせいじゃ……」
しかし、距離があるため聞こえていなかったのか、ネモは首を振って「今はとにかくこの状況を解決しないと!」と言った。
「どうにか上まで登ってきて! 近くに来てくれたらポケモンの技で引っ張りあげるから!」
「わかった!」
再び歩こうとすると、謎のポケモンはネモを
「ハルトの前歩いてるポケモンなに!? 強そう!」
「はは……」
こりゃ帰ったらまた質問攻めだな、と乾いた笑いが出る。
にしても、こんなハプニングに巻き込まれるとは思わなかった。あとでアオイにも遅い! ってぶーぶー言われそうだ。
また何度か行き止まりはあったが、その度に謎のポケモンが壊してくれる。が、ある地点で壁を壊すと、それに気づいたポケモンが逃げていく影が見えた。
「あれ、さっきのデルビル?」
「あっ、ハルト! ここね、暴れん坊のデルビル達が生息してるんだ……!」
「…………まじ?」
「うん! 気をつけて!」
ポケモンの捕獲をサボったせいで、現在の手持ちはホゲータのみだ。すると、突然背筋に悪寒を感じた。
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作者名:昆布の神 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fullmoon721/
作成日時:2023年2月25日 23時