【黒子のバスケ】そんなの願うなよ【青峰大輝】

第４０話 ページ43

貴「いいよ、して。」

目を閉じて、征十郎の足音を聞いて待つ。

征十郎なら分かってると思うけど、

貴「同情じゃないから、安心してね＿＿？」

赤「あぁ。」

そう言ってから感じた唇の柔らかさはやはり嫌ではなくて、

目を開いて見えた、濡れた頬は、やはり見るのが嫌で、


赤「A、すき。」

貴「征十郎…」


涙を流しながらそう言う征十郎を見るのは、嫌だった。

こっちまで辛くなってくる。



だから私の頬には


貴「……ごめ…なさい…」


初めて、他人の為に


赤「……A、好きだよ…」


溢れた涙が、伝っている――

貴「…ぅん……」


でも、ごめんね、征十郎。


貴「…征十郎、私、大輝が好きなの―――」

赤「……分かってる。……だけど、俺はAの事を愛してるんだ。」


貴「……え？」


不意に、感じる浮遊感。

赤「だから、俺は君を殺す。」

あぁ、私死ぬのか＿＿＿＿


やっと、死ぬんだね。



…大輝、私は貴方が好きでした。



でも、最後に言い残す言葉は違うの。



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貴「征十郎、愛してる――」

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