呪術界の女神は愛される【呪術廻戦】

10話 ページ13

それからAの過去を聞いた。
思ってたよりも悲しくて同情した。
能天気な奴かと思ってたけどコイツもコイツなりに苦労してるのが分かったら、恨みを持ってた時の俺が馬鹿馬鹿しく思えてきた。


A「だからね、皆が友達って言ってくれたのがすごい嬉しいんだ。瀬羽Aをしっかり見てくれた初めての友達だから…」



そう儚く笑った顔が切なくて、つい言ってしまった。



『......ってやるよ。』




A「なんて？」




『だから！友達になってやるって言ってんの！』



そう言うと、Aは驚いた顔をした。
俺だって生きてる中でこう言う事セリフを言うとは思ってもみなかったから驚いている。



『俺とダチなんて光栄なことだからな。有り難く思えよ。』



五条家時期当主兼最強の俺だもんな。
いやー。人気者って辛いなぁ←


……って、は？なんで泣いてんの⁉︎
俺なんかやらかしたか？
いや、落ち着けこの涙はきっと嬉し涙だ。



A「ﾌﾌｯ、ありがとう！とっても嬉しくて光栄な事だよ。」



流れて来た涙がキラリと光り、月の光に照らされた笑顔に胸がトクンと波打った。
だんだん、顔が赤くなってるのを感じてつい顔を逸らしてしまった。


『(クソッ、こんなの俺じゃねぇ。)』



月明かりの下で新たな恋(まだ本人自覚なし)が生まれた瞬間だった。

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