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改めて ページ43

“うえのがみ”を収録した翌日、翔さんの墓前とご両親にはテレビ電話で報告した後に結婚指輪を2人で選んで役所で婚姻届を貰ってから帰宅して、ウチの両親に電話で報告した

ある日の昼間。ピンポーンっとチャイムがなりモニターを見れば、前もって呼んでた2人。オートロックを開けてキッチンにいる彼女に声を掛ける
「Aちゃん、来たよ」
『はーい』
Aちゃんがケトルのお湯をカップ4つに入れて再度ケトルにお水を入れてセットすとオーブンからピーっと焼き上がりを知らせるブザーが鳴った
『タイミングバッチリ』
開けられたオーブンからふわ〜っとアップルパイの良い香りが部屋広がって顔が綻ぶ
「いい匂い」
『焼きたてだからねー…そろそろ2人が玄関前かな?』
ピンポーン
「ふふっww当たりだね。俺行くよ」
『ありがとう』
玄関へ2人を出迎えに行くと後ろをナイトがトコトコと着いて来る。コレがまた可愛いんだ
玄関を開けると彼女にとって従弟と幼馴染で俺にとっては同期と先輩の2人
「いらっしゃい」
「「お邪魔しまーす」」
2人を連れてリビングに戻るとAちゃんが紅茶を淹れていた
『いらっしゃい。拓ちゃん、とっきー』
「A、野上…結婚おめでとう」
「Aちゃん、野上君おめでとう」
『ふふふっwありがとう!』
「ありがとう」

席に座る前にシェルフの上に準備しておいた物を手にする。あ、俺少し緊張してる…
「頼んだ物持って来てくれた?」
「うん、印鑑でしょ?」
「持って来たよ」
『2人にお願いがあって…』
「ここにサインをして欲しいんだ」
2人の前に置いた書きかけの婚姻届。俺達のとこは既に記入済みで、証人の欄だけ空白のまま。Aちゃんと話し合って、やっぱりこの2人にお願いしようって決めた。保護者会のメンバーで悩むかと思ったけど…割とあっさりだった
「おぉ…緊張して手が震える…」
『翔君と同じ事言ってるw』
「これは緊張するよね」
「今まで何回も書いたどんなサインよりも緊張するわ」
『確かにww』
2人に署名してもらったあとAちゃんが焼いたアップルパイを食べて、2人は仕事へ。俺達はナイトを連れて区役所へ婚姻届を提出しに家を出た
『ふふふっwww』
「なに?」
『なんかまだ実感湧かないなぁって』
「まぁねぇ…」
…コレから彼女の色んな書類や保険証、免許証等が野上Aになるのか
「…野上Aさんっていいなぁ。ねぇ…野上Aさん」
『は、い…』
「…顔真っ赤www」
『めちゃめちゃ照れるww!なんだコレww』

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作者名:福招猫 | 作成日時:2021年9月20日 23時

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