野上さんは天使ですか？6

晴れて ページ44

区役所に提出した後は、家に帰らず上ドラのイベントの時彼女の誕生日プレゼントに山本さんから貰ったペットとと一緒に泊まれるホテルのペア宿泊券を利用してお泊まり。仕事関係なく2人で泊まるのは初めてで…信号で止まる度に緊張を誤魔化すようにナイトを撫でるとキョトンっとしたあとサモエドスマイルを浮かべるナイトに癒された

歩きながら目に入った結婚式場にふっと足が止まり、思い出すのは前にAちゃんとデートした際偶然見かけたウエディング写真を撮ってたお2人。あの時Aちゃんが教えてくれた4つの挙式。教会式・神前式・仏前式・人前式。彼女は祝福されるならどれでも幸せだろうけど、やっぱりドレスが憧れるって言ってたっけ。《ご令嬢当主憂鬱》のイベントで歌う時はドレスだったけど…やっぱりウエディングドレスは全然別レベルの憧れらしい
『翔君？』
「結婚式…どうしようか…」
『仕事忙しいけど…出来るのかな…』
彼女のご両親はまだニューヨークで公演期間だし翼君はもう少しで卒業
「翼君卒業したら帰国するの？」
『と、思うよ』
「ご両親の帰国予定は…」
『来年凱旋公演ないらしいし…どうかな』
「え、凱旋なし!?」
『さっきLINEきた』
ん、っと彼女がスマホをこちらに向けるとそこにはトランペットとトロンボーンっとドラムのアイコンがポコポコと並んだ《上野家》と言うグループが表示されていた
「…年末年始の凱旋はなし、翼君は…帰国までロンドンのお友達との思い出作りで帰国なしか」
『ちょっと寂しいけど、仕方ないね。翼は今青春を謳歌しなきゃ…時間は二度と戻らないし。パパとママは…正直公演で忙しいだろうから少しでもふたりの時間って過ごして欲しいし』
ここ最近防音室でサックスも基礎練をしっかりやってたからご両親と翼君とセッションするの楽しみにしてたはずで…やっぱり寂しいだろうなぁ
「ドレスがいいって前に言ってたじゃん？」
『うん、やっぱりドレスって憧れるし…あたし劇団で1回着てるし』
「思い出した…うわ…なんかヤダ。Aちゃんの唯一の白無垢、なんで隣が俺じゃないの…」
『え、翔君とっきーに借りて見てたのに今？wえ、可愛いかよ。その点、翔君ギャルソン姿もスーツも袴も基本隣は男性声優陣だし燕尾服はあたしが隣だったし』
「うわ〜…」
『あ…もしくは大々的な式やらないで、フォトウエディングって手もあるし。写真だけの結婚式。でもそれなら色々着られる』
ちゃんと結婚式はしてあげたいんだけどなぁ…

ナイトとホテル→←改めて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す