32.誘ったんだろ。 ページ33
＊一松＊
(……結局家かよ。
あぁそう、はいはいそうですよね。
結局無理なんじゃん。
怖じ気付いちゃって家帰って
きちゃって)
「散々劇みたいなくっさい
セリフ並べまくってはみたけど
やっぱりできませぇん
ってか？
ハッ、終演お疲れ様。
まぁ分かってたけどね。
散々人のこと煽って楽しかった？
それ大成功。
良かったね、復讐できたじゃん。
てめぇのこと少しでも信じた俺が
馬鹿だったよッ！
もう二度とこんな家帰ってくるかッッ
ﾀﾋねッッッ！！」
((ﾎﾞﾌｯ
「………………は？
何やってんだよ、布団出して…
おい、ねぇって…あぁ、
ついに無視しましたか。あっそ
心配しなくてもこっちから
勝手にこんな家……」
「ふぅ…………」
(え？何コイツ顔赤いの、湯気出てんの？
ﾋﾟｰ期ですか、コノヤロー)
「おい」
「え！？」
「あぁそうか ほら、バンザイ」
「いやいやいやいやいやいや！
お前何！？本気かよッ！」
「当たり前だ。一松が誘ったんだからな」
「馬鹿じゃねぇの！？
こんな狭い家でヤったら誰かに見っーー」
「いい」
「はぁっ！？」
「なぁ一松。
今からやることは決して
悪いことなんかじゃない。
想い合う二人が そこに居れば
誰もが当たり前にすることだ。
後ろめたくなる気持ちは
必要ない。」
「そん、なの…無理、だよっ…！
さっきのさっきまで兄弟…だったのに……
あれ取り消す…
別に無理してヤんなくてもいいから。
き、キスとかもしなくていい。
なにも……今のままでしてくれれば
それでいい。」
「……俺は愛を確かめ合うのは
遅いのも早いのもないと思っている。
お前がシたくないと言うなら
ヤらなきゃいいだけ。
……でもきっとお前は、今を逃すと
また、隠してしまう。」
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