円堂の血を引く私と円堂守・・・ 【second】

６７話・隠し続けている心 ページ18

セ「汚いわけがない！私は共に過ごしている中で一度もそう感じた事はない！」

あ「感じた事ないのは知らないからだよ。憎しみでゆがんだ私の心を。」

セ「っ！！」

そう。

あんな奴らのためにこれ以上人生を無駄にしてやる必要なんてない。

だから正当な方法で裁きを受けさせる。

そう決め、いろいろ頑張ってはいる。

だけど・・・

あ「確かに私は自然が好き。心が落ち着くから。
だけど心は汚く醜いの。
許されるなら殺したい相手がいるから・・・−−−」

私からすべてを奪ったあいつを殺してやりたい。

そんなことを心の奥底で思っている私が・・・

女神の素質なんてあるわけない。

セ「・・・。」

あ「ごめんね？ほめてくれたのに・・・。」

セ「君はーーーー」

バンッ！！！

「！！」

セインが私に何かを言おうとした瞬間だった。

思い切り扉が開き、ギュエールがエルフェルを連れて入ってくる。

ギュ「お話し中ごめんなさい。やっとエルフェルがそのブレスレットのことを突き止めたの。」

あ「えっ！！本当！？」

ギュ「えぇ。さぁ、速く報告して？」

エ「ギュエール・・・マジで嫁の貰い手なくなるぜ？怖すぎて。」

ギュ「エ〜ル〜フェ〜ル〜？」

笑顔だ。

笑顔だけど怖い。

エ「じじじ、実はさ！そのブレスレットはこの島でのみ不思議な能力を与えてくれる
ものならしくてさ！！」

あ「不思議な能力？」

エ「そうそう！その能力が女神の力ってわけで、実のところ島からは出られるみたいなんだ。」

あ「・・・え？」

セ「・・・出られるのか？」

エ「外すことはできないけど、島から出たらまた普通のブレスレットに戻るらしい。」

セ「・・・試していなかっただけで、伝承のほとんどは間違いで実際はーーー」

エ「あっさり出れちゃうと思うよ〜。」

あ「ほ、本当！？」

エ「ただ。」

あ「・・・ただ？」

エ「君の体はもう半分女神の体になってるから悪しき者の気を
吸いすぎると体調を崩すと思うから、そこだけ気を付けてってとこかな。」

あ「・・・えっ・・・？」

悪しき者の気。

その言葉で浮かび上がったのは言うまでもない。

私の憎む相手・・・

その相手に近づきすぎれば・・・

あ(最悪倒れたりするってこと！？)

やっと・・・やっと悪事の証拠を手に入れた。

やっと奴の望みを破壊できると思った。

あ(なのにこんな・・・)

現実は・・・







なんて残酷なんだろう。

６８・復讐の手伝いを・・・→←６６話・女神の素質

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