【呪術廻戦】彼等と私と呪いたち＿弐＿

94・彼等にこんにちは ページ50

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『こんちわーー！悠仁元気ー？？』





「いだだだだだだ！！ギブギブ！！」

「えー？まだいけるっしょ」

「死ぬわ！！」




ある日の夕方。

先輩方との訓練を終えた私は悠仁を匿っている地下へと向かい、元気な挨拶と共に勢い良くドアを開け放ったのだが……。




そこでは、必死に床を叩き抵抗する悠仁とニコニコ笑顔で彼に絞め技を繰り出す悟という、なんとも絵面の酷い光景が広がっていた。




『うわ…………出直そ』

「まってA！！助けて！！」




静かにドアを閉めようとする私を悠仁は引き止める。

子犬のように助けを求められては流石に私も見捨てるのは心苦しい。




『えー…あの、悟？止めてあげな…？』

「しょうがないなぁ」




パッと悟が体を離せば悠仁が「助かった…」と安堵の息を吐いた。


へぇ…悠仁はズバ抜けて運動神経が良いと思ってたけど、悟にはまだ勝てないか。最強の名は伊達じゃないね。




「悠仁もまだまだだなぁ。手始めにAと近接訓練してみる？」

『それは私が死んじゃう。てか悟、伊地知さんが呼んでたよ。仕事なんじゃないの？』

「……そうだったっけ？」




可哀想な伊地知さん…と思いいつつ、知らぬ顔で首を傾げる彼を部屋から追い出す。

仕事の時間に間に合いますように。それから伊地知さんが怒られませんように。




「いてて……で、Aはどったの？」




心中で祈っていると悠仁が立ち上がってそう言った。私は軽く笑って勝手にソファに座る。




『元気にしてるかなって、ちょっと様子見に来ただけ』

「あ、そうなの？」

『うん。匿ってる状況だから仕方ないけど、篭ってばっかじゃつまんないでしょ？』

「うーんでも、いっつもA来てくれるし＿」



「…小娘」




悠仁の声に被せて、低い声がした。

彼の方を見ればその頬に切れ目があって、そこが口となっている。



あれ？口……？




「うわ！おい宿儺、勝手に、」

「＿＿契闊」




そして、その言葉と共に変わる悠仁の姿と雰囲気。




『悠仁……？』




当たり前のように返事はない。




「…時間が無い。手短に済ませるとしよう」




そう言ってニヤリと笑う彼。




…………これ、非常にマズイのでは…？？

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