89・きっとおいしい ページ45
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今回もまた真希先輩の相手は叶わず、私と野薔薇はパンダ先輩に投げられて、棘先輩に受け止められての繰り返し。
こういう訓練で「慣れ」をつくるのは分かる。分かるけども。
『私まで投げられる必要性とは…?』
地面に転がったまま呟いた。「可愛いジャージを買いに行かせろ!」と抗議する野薔薇に『私も新しいのほしーい』と同調する。
『経験が無いわけじゃないんですけど』
「まぁお前は一年にしちゃ経験ある方だな。でもまだ足りねぇ」
「経験の差で負けんのは嫌だろ」と真希先輩。おっしゃる通りで…。近接弱いヤツは黙って投げられときマース。
『でも真希先輩のお相手がしたい』
「私から一本取れんのか?」
『無理ですね』
これぞ正しく呪霊使いの弱点です!と大声で言えるくらいには私は近接が弱い。真希先輩の相手なんて夢のまた夢だろう。これでも昔よりはマシになったと思うけど。
「まずは棘とパンダから一本取れ」
『出来ますかね…』
「弱気になるんじゃねーよ。出来たら私が相手してやる」
『ホントですか?!ちょ、聞きました先輩方!!』
「おー聞いた」
ニヒルに笑った先輩の言葉に、ガバッと体を起こした。『絶対ですからね!』と念を押して笑えば「そんなに喜ぶことかよ」と先輩は目を逸らす。
耳が赤くなってるの可愛いんですが。
「良かったなぁA」
「しゃけ〜」
『はい!相手してください先輩方!』
「そのテンションのまま来られると俺殺されそう」
「おかか…」
一本取るだけですのに。
『虎杖くーん』
夜。『元気ですかー?』とノックした後、返事を聞かずドアを開けた。振り返った悠仁の手には呪骸。そういえば、悟が何か言ってたなぁ。
「Aじゃん。どったの」
『いや〜悠仁が最近一人ご飯だって聞いたから。ご一緒にいかがですかね』
「マジで!?俺ちょうど鍋したかったんだけど!」
『おうまかせろ』
「え、作ってくれんの?!」
『働かざる者食うべからず』
「俺肉団子作るわ」
さっと切り替えた悠仁が立ち上がる。話しても動いても呪骸が起きない。結構上手いなと感心しつつ、悠仁に確認してから『一緒に鍋しない?』と悟に連絡を入れた。
多い方が楽しいだろうし、匿われてる現状では悠仁もつまらないだろうから。早く皆と会えたらいいね。
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藤宮(プロフ) - 43 −ヨミ−さん» 初めまして。えっ…めちゃくちゃ嬉しいんだが?!?!私がこだわってる所に気付いてくださって…どうしよう嬉しい!ありがとうございます!頑張ります! (2021年11月19日 11時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
43 −ヨミ−(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。物語の展開や設定、キャラ間でのそれぞれの感情とか滅茶苦茶素敵でした…!!本当に魅力的で、思わず見入ってしまいました´`* 応援しております、土主様の無理の無い範囲で更新頑張って下さいませ…!! (2021年11月19日 1時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして。う〜〜んオチはすっっごく迷ってるところでして…ご意見聞けて良かったです!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年10月10日 21時) (レス) id: 9fd58b0bd3 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月6日 10時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 通りすがりの誰かさん» わざわざ応援してくださりありがとうございます!!嬉しいです。任命式、無事に成功しました〜!! (2021年1月6日 0時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年10月28日 20時