罪みそじ あまり むっつ ページ38
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うーん。自販機に行こうと思ってたのに五条から飲み物貰ったし、もう自販機に用はない。
今日は休日で仕事も休みだし…どうしようか、暇になってしまった。
(あ、そうだ)
そうだよ、休みなんだから休めばいい。最近は強い呪霊と戦ってばかりだったし、一級のなんか怖い人とかと試験という名の共同任務で忙しかったから。
(暇になってしまったなんて…社畜みたいな…)
まぁ上との関係を考えればあながち間違いではないんだけども…なんか言ってて悲しい。
そう考えて、薄い苦笑いを浮かべたまま共同スペースに向かった。
「あれ、A?」
『あー傑くん』
「今日休みなんだ、珍しいね」と彼は笑う。あれ?私ってそんなに休んでない?いやそんなことない。うんうん。
「自販機に行ってたんだな」
『あ、いや…これは…』
「………………あぁ、なるほどね」
傑くんは私の曖昧な答えに首を傾げ、納得した表情をする。…あぁ、なんだか、五条と悪巧みをするときみたいな顔と似てる。
「無粋なことを聞いてしまったな」
『まだ何も言ってないけど』
「いいんだ。言わずとも分かってる」
『ちょっと??』
聞く気無いよね??
苦笑いを深める私に傑くんは笑って、ソファに座った。それから自身の隣をポンポンと叩く。
……座れと?
(いや〜〜ちょっと、)
「A、少し話そう」
『…は〜い』
こういうところ。彼は時々、少々強引だ。
五条とは一歩引いて、まるで完璧な優等生のような立ち振る舞い。…そう見せかけて中身は五条と同じ。特に問題児なところは。
初めはこのギャップになれなかった。まぁ五条よりはずっと良い。
(そして_)
五条にも負けず劣らない才能。
……いいなぁ。
「…暗い顔してるね」
『そんなことないよ』
「Aは顔に出やすい。誤魔化しは効かないな」
えっ?マジ?
そう見えるのか…と若干ショックを受けながら傑くんに目を向ける。
彼は私の視線を受けて、私に手を伸ばした。
「_だから、疲れてるのもよく分かる」
頬に手が触れて、サラリと髪が流れる。
優しい目だった。溶かされそうなくらい、優しい目。
黒髪によく映える金色の目がゆるりと緩められ、見てるだけで眠くなるような淡く暖かい光を持つ。
(…五条みたいに綺麗な眼)
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藤宮(プロフ) - 暁郗さん» 母 は 強 し 。……そう、母は強し……母は強し……コメント……ありがとうごぜェます……。 (2021年2月23日 20時) (レス) id: cdb1df32dd (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 母 は 強 し 。 (2021年2月23日 13時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - かわさん» えー?!同じ苗字ですか?!めっちゃミラクルですね!何だか私も嬉しいです!! (2020年12月31日 21時) (レス) id: c97ecbdc86 (このIDを非表示/違反報告)
かわ - まさかの同性の人が出てきて嬉しかったです!現実でも同じ苗字の人と親戚以外であったことがないので! (2020年12月31日 17時) (レス) id: e92a741f95 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - mimiさん» 悪いなんて!むしろ丁寧じゃないですか!凄く褒めて下さるのでめっちゃ嬉しいです。どうぞお楽しみ下さい!!! (2020年12月5日 19時) (レス) id: c231945d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤宮 | 作成日時:2020年4月22日 0時