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「ミドリカワ」
「?あ!遊真先輩!」
緑川くんが荒船先輩に金を握らされているという話はどうも誤解だったらしく、それならなぜわたしと話してくれるのかを問い詰めていたら誰かに声をかけられる。
どうやら緑川くんの知り合いのようだが、正直これ以上新しいキャラクターを増やすのは勘弁して頂きたい。なんてったってわたしはグループの人数が3人以上になると余っちゃうタイプの人間だからね!
……なんてそんなことをほざいていても仕方がないので、わたしは潔く新たにやって来た人物の方へ顔を向ける。
その人物を目視した瞬間、わたしは全身がピシッと硬直するのを感じた。
「あと……」
「大変申し訳ございませんでした」
「急になに!?」
わたしは咄嗟にその人物に向かってスライディング土下座をかます。地面とこんにちはしながら、流れるようなわたしの土下座に緑川くんが困惑しているのが分かった。
「ごめんなさい!ごめんなさい!緑川くんでもなんでも差し上げますから許してください!」
「オレの扱い!!」
勘のいいガキさんはもう気づいているかもしれないが、その人物というのはあの日わたしたちがけちょんけちょんにしようとした人型近界民だ。
まさか恐れていたことが本当に起こるなんて、今日はなんて厄日なのだろう。
……おいまさかあのサングラス、これも視えてたんじゃないだろうな!?
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作者名:藤丸 | 作成日時:2023年2月26日 23時