甘い…生活？ (ページ46)

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46話目ページ46

「ただいま～、あー、疲れた。」

「お帰りなさい、遅いから心配したよ。」

迎えに玄関へ出た私を抱き締め、「落ち着く。」と首に顔を埋める。

「お、お帰り、お疲れ～。」

ひょこっと剛は顔を出し、ヘラヘラと笑った。

「…先に風呂入るか。」

「さっき私が入った所だから、まだお湯冷めてないと思うよ。」

頷いてバスルームに入っていき、私は夕食を温め直す。

「あ、そうだ…。」

朝食を帰ったら食べると言ってた事を思い出し、冷蔵庫から出した。

「源だけ品数多くない？」

「これ、朝食だよ。今朝食べる暇が無くて…。」

「あー、何か想像つく。」

納得顔で冷蔵庫を開け、ビールを2本出してテーブルに並べる。

「剛はダメだよ、ビール。」

「1本だけ！許し「ません。昨日の今日で、しかも縫うほどの怪我してるんだからダメ！」」

「…わかったよ～。我慢する～。」

背の高い、大の男が拗ねた表情でテーブルに突っ伏した。

「少しだけ我慢ね。よしよし。」

「…もっと撫でて。」

「何を二人でいちゃついてんだ。俺を除け者にするな。」

お風呂から出てきた源はビールを開け、美味しそうに喉を鳴らして飲んだ。

「…何だ？変な目で気持ち悪い。」

「美味そう～ってね。あー、飲みてぇな。」

目の毒だとばかりにソファに移動してため息を一つ。

「源、これ…食べる？今朝の「食べる。勿論晩飯も食う。」」

「作りたてじゃないから…固くなってるね。」

朝はふわふわで柔らかかったオムレツを食べ、「美味い。」と笑みを浮かべる。

「Aの飯は冷めても固くなっても美味い。」

「ありがとう。後でね、良いものがあるから楽しみにしてて。」

「俺も後で話したい事がある。」

2本目のビールに口を付け、少し小難しい顔をした。

「A、洗い物終わったらこっちに来てくれ。剛、お前にも話したい事あるから寝るなよ。」

「…寝てないよ。起きてる。」

ソファに寝転び、時々眠そうに欠伸をしている剛。

「お待たせ、何？何かあった？」

「山田が犯行を自供した。Aの事だけじゃない、会社の盗難も奴が関与してた。」

「え！…そう…なの？」

「動機は？」

「その辺はまだ口を割ってない。」

「睨みの「源って呼ぶな！しつこいな、お前は！」」

頭を叩こうとして手を止め、舌打ちをする。

「動機は不明で万事解決という訳にはいかないが…少なくとも安心は出来るだろう？」

「万事解決…Aまで後少し…か。」

剛はそう言って嬉しそうに微笑んだ。