甘い…生活？ (ページ47)

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47話目ページ47

「「えっ！？」」

私と源は顔を見合わせ…直ぐに剛の言った意味がわかって…。

「って…事だよね？あれ、違ったっけ？」

「まぁ…そういう事に…なるな。」

咳払いをして、チラリと私を見る。

「あ…あ！源、良いものがあるよ！持ってくるね！」

微妙な雰囲気で流れる沈黙に耐えきれず、キッチンへと逃げてきた。

…私まで…後少し…。

考えると恥ずかしくて、和菓子を手に取ってため息をつく。

「こら、逃げるんじゃないの～。」

剛が後ろから覆い被さるように抱き、クスクスと笑った。

「別にね、解決したから即！とかって言ってないし？」

「そ、そうなんだけど…ね。…んっ！？」

剛は首の後ろにキスをして私の手から和菓子を取り上げ、「ほら、行くよ。」と手招き。

…やだ…余計に意識…しちゃうじゃない。
　
源の嬉しそうな声が私を呼ぶけど、暫くの間…その場を動く事が出来なかった。

「あ…思い出した。うん、お手伝いした記憶だけは。お礼にって…缶コーヒー買ってもらったよ。」

山田さん、会社の玄関でバケツの水をぶちまけた時、拭き取るのを手伝った私の事が好きになってしまったらしい。

「慣れない独り暮らし、人間関係にも悩んでいる時で、女神にも感じた…と言ってたよ。」

「後、自宅アパートから盗撮されたAの写真も出てきた。」

「…盗撮！？」

私の声が警察署の玄関ロビーに響き渡り、二人は慌てた顔でしーっ！と指を立てる。

「こんな話をこんな所でしてるのバレたらヤバいからっ！」

「あ、ごめん…。その盗撮って…何処で？」

「電車内、会社の玄関やデスクに座ってる姿が主に撮られてたな。」

「電車…あ、そういえば…。」

以前に電車の中でカメラのシャッター音が聞こえた事を話すと二人は顔を見合わせてため息をついた。

「怖がると思って黙ってようと思ってたんだが…家の近くの風景もかなり撮られてた。」

「付けられてたんだよね、多分…かなり前から。」

「私が…後を付けられてた？」

全身に気持ちの悪い汗が出てきて、あまりの恐怖に体が震える。

「A…大丈夫？」

「家まで送るか？」

「…あ、大丈夫。」

「あ、居た！綾野さん、星野さん、部長がお呼びです！Aさん、お久しぶ「「わかった！帰れ！」」」

満面の笑みの国松さんに二人はシッシッと手を振り、私に近寄らせようとしない。

「何でですか、Aさんに挨拶「これでタクシーで帰れ。」」

源はクレカを私に手渡し、国松さんの体を強く押し戻した。