◆異界の地2 ページ3
『ご馳走様でした』
先程不安げな表情から、安心した顔色に変わった。
ふむ…やはり食事とは良いものだな。
空腹から来る不安や苛立ちを満たす事で緩和する事が少なからず出来るのだからな。
「さて、本題に入ろう。
俺の名は鍾離。この璃月で往生堂の客卿を務めている。
君はどこまで覚えているだろうか?見知らぬ場所でさぞ怖かっただろう」
『…り…りーゆえ?往生堂?…かっけい?』
ど…どれも聞いた事ない言葉だ……どうしよっ
ただ私が無知なだけなのかな?えぇ…
暫く考える素振りを見せたが、彼女は直ぐに口を開いた。
様子から動揺が伝わってくる。
『そ…それが…何も覚えてなくて…。記憶はこの部屋からで…
覚えてるとしたら、名前と……なんだっけ?』
つい、ある少女が脳裏に浮かんだ。
『えっと、私の名前はA…好きな物は…あ…れ????』
「ふむ…その様子からして、本当に何も覚えていないようだな。では君がここに居る理由を俺が把握している範囲内にはなるが説明しよう。君を見つけたのは昨夜の雨の降る日だった…──────
──────────────……
「む…。雨か…」
「通り雨かもしれないな?鍾離殿。弱くなるまでここで休んで行くといい」
「そうだな…では、そうさせて貰おう」
バタバタバタバタっ
「っ……」
「魈!」
「てっ…帝っ…かっ客卿殿っ⁈何故ここにっ」
「そんなに慌ててどうしたのだっ」
……──────────────
「俺は堂主の言付けを言笑と言う料理人に伝える為に
望舒旅館へと訪ねていた。
こう言う事はたまに良くある事だからな。
他愛のない世間話を雨足が弱くなるまでと時間潰しをしていた。
そこに仙人様が慌てた様子で旅館に入って来たんだ。
お前を抱えてな」
『私?…仙人様?』
彼女の眉間に皺が寄った。
思い出そうとしているのだろう。
「ずぶ濡れの少女がぐったりして倒れていたと言っていた。そのまま俺が君を療養出来る場所へと往生堂に連れてきたんだが…倒れる前の記憶とかも無いのか?」
『うーん…』
「ふっ…」
無さそうだな(笑
思ってたより事態は深刻なのだろうが、可愛いらしい仕草に笑みが溢れてしまった。
『?』
「いや…すまない。体調の方は大事ないか?」
『んー。覚えてないだけで身体の痛みとかは無いかな』
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葉(プロフ) - わわわわわっ申し訳ありませんんっありがとうございますっっ!気が付きませんでしたっっ!外しましたっっっ!ご報告ありがとうございます! (2023年2月8日 17時) (レス) id: b63a4d1e18 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ‘フラ立ってますよ!外したほうが良いと思います。 (2023年2月8日 11時) (レス) id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
葉(プロフ) - あぁあありがとうございますっっ色々書きたい話し沢山あるので頑張って更新出来たらなぁと思います!とても励みになりますご感想ありがとうございました! (2023年2月7日 19時) (レス) id: b63a4d1e18 (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - 更新頑張ってください!!!! (2023年2月7日 16時) (レス) id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - いいですね、この関係性というか話の進み方構成というか、、好きです…… (2023年2月7日 16時) (レス) @page32 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紺翠 | 作成日時:2023年2月1日 10時