◇異界の神◇【原神】

◆異界の地 ページ2

《探して》


《……様…》





『ハッ……』

目が覚めると見慣れない部屋だった。
各箇所に散りばめられている装飾品はどれも見事な
気品を感じるが、落ち着けない場所…と言う訳でもなく。
部屋の静寂が騒ぐ胸を鎮める。


大丈夫…怖くない…


『ここは……私…』

眠る前の自分が何をしていたのかまるで思い出せない。

『…』
名は…わかる。けど…

ギィイ…

『ひぃっ…』ビックゥ
「おっとすまないっ！驚かせてしまったな。起こしてしまったか？」

自分が置かれている状況を整理しようとしたタイミングで戸が開かれた。

そこには高身長の男性がお膳を持って来てくれていた様だ。ホカホカと湯気が立っている。

『いえ、少し前に起きてました』


「そうか…、なら食事は出来るだろうか？あったかい内にと思い持って来たのだが…」

『……食べていいの？』


「勿論だ。話しは食事が終わってからにするとしよう！
ゆっくり食べてくれ」

『………うひっ…頂きます♪』

美味しそうな卵粥だった。出汁の優しい香りと
ほんのりと漂う柚の香り。素朴な料理だか暖かさが身に沁みる。

『おいひぃ…』

不覚にも泣きそうになった。


「そうか…」

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