春風に撫でられたように ページ26
フィンラルさんと昔兄弟の話をしたことがある。
わたしは教会で少しの間いたときには血は繋がっていないけど、たくさんの家族がいてその中には弟妹がいた。
みんなそれぞれ個性があってまとまりがない時もあるけど、それがまた毎日楽しく家族が愛おしく感じていた。
フィンラルさんは貴族の生まれだけどなかなか両親の思うほどの力がなくて弟が後継になるんだと。
自分が出来損ないのせいで全てが弟に期待がいってしまったのだと聞かされていた。
そのときはそんな大変な家庭もあるんだなぁと他人事で聞いていたけれどまさかランギルスさんだったなんて。
「僕のことなんて誰も分からない。お前だって、何も分からないんだろ。どうせ…兄さんの方が…」
どんどん言葉が詰まりまた彼は過去の闇に堕ちていく。
また彼の瞳のなかの輝きが消えていく気がする。
どうか、どうかそれ以上……
Aは何も言わずにランギルスを抱きしめる
どうかそれ以上、過去に取り残されないで。
ココにいるあなたに帰ってきて。
もう、あなたは過去で生きないで。
『わたしはフィンラルさんのこと大好きです』
フィンラルさんのことを伝えるとランギルスさんの身体が反応するのが分かる。
よかった、声が届いてて。
Aはそのまま力一杯抱きしめながら話し続ける。どこかに彼がどこかにいきませんようにと、繫ぎ止めるように話し続ける。
『でもわたしはランギルスさんのことも同じくらい大好きです。』
どうか、この気持ちが届きますように__。
『怖いですよね。親に期待されるって。もしその期待に応えられなかったら嫌われるのかな?見放されるのかな?って思いますよね。』
子供には頼れる人は親しかいないから。
ランギルスさんは親の期待があったから余計に感じたと思う。
『小さい頃は親が全てに思えるから、喜ぶ顔が見たいから頑張りすぎちゃうんですよね。でも、今は違います。』
少し離れランギルスさんを見つめる。
久しぶりに目があった気がする。
『現在(いま)は他にもランギルスさんを好きな人がいます。ランギルスさんを頼る人もいます。だから、大丈夫です。1人じゃないんですよ。』
ランギルスさんはみんなから愛されていることを気づくことが大切なはずだから。
過去がランギルスさんの全てじゃないから。
もう、期待を全て背負わなくて大丈夫だから__。
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みんな分かち合うなんて無理と分かっていても→←融けた雪のように
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妖狐の巴衛(プロフ) - フエゴレオンのエがェになってます! (2018年5月6日 18時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
fuca(プロフ) - 白龍さん» コメントありがとうございます!皆さんの期待に応えられる内容になるか不安ですがまた続編書いていくので楽しみにしていただけたらと思います(o^^o) (2018年5月6日 10時) (レス) id: 70fbe25f18 (このIDを非表示/違反報告)
fuca(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます(o^^o)続編楽しみにしていただけて嬉しいです!また更新頑張っていきます(o^^o) (2018年5月6日 10時) (レス) id: 70fbe25f18 (このIDを非表示/違反報告)
fuca(プロフ) - ミリアさん» その時の場面でこういうのがあったらいいなと思いその都合に良いものを考えついただけですよ(o^^o)あとは原作などと被らないようにだけ気をつけました。 (2018年5月6日 10時) (レス) id: 70fbe25f18 (このIDを非表示/違反報告)
白龍 - お疲れ様でした!そして続編待ってますーーーーーーーー!!!そしてフエゴレオン団長助かってくれ!!! (2018年5月5日 19時) (レス) id: 8060fe6cc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fuca | 作成日時:2018年3月18日 12時