2人の兄に溺愛される【吹雪兄弟】

7.悪戯 ページ8

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……全然眠れない。さっきまでゲームをしていたからだろう。遅くまでスマホやゲームをしていると脳が興奮して寝付きが悪くなるらしい。

それなのに。


兄さん達は規則正しい寝息を立てて寝ている。

嗚呼、暇だ。私は下を覗き込んでみた。

士郎兄さんは横を向いて眠っていた。

私は少し悪戯をしてみたくなってしまった。


士郎兄さんの顔に手を伸ばして頬をつついてみる。大丈夫、優しく触れば気付かれない筈。

士郎兄さんは「ん……」と言いながら体勢を変えた。

その反応が面白くて、つい強めにつついてしまった。

「A、僕の事大好きだね」


気付いた頃には時すでに遅し。手首を掴まれてしまった。

『ご、ごめんなさい』

「良いんだよ。でもさ、僕ばかり遊ばれていたら不公平だよね」

嫌な予感がする。

『……嫌だよ、私』

「でもAも僕に許可を得る前にやったよね？」

『まあ……はい』

「じゃあA、こっちにおいで」

夜中に両手を広げて笑顔で言う事ではない。

『何で私が行かなきゃいけないの？』

「だったら僕が行くよ」

士郎兄さんはベッドから出ようとする。

『待って。分かった、行くから。それで良い？』

「うん！さあ、おいで」

私は渋々士郎兄さんの反対側を向いて横になった。



ー数時間後ー

Aは士郎の隣ですっかり眠ってしまっている。

士郎に頬をつつかれたり、引っ張られたり、挙げ句の果てには抱き締められたりされ、Aは散々な目に遭った。

そんな士郎もすやすやと眠っている。その口にはうっすらと笑みが浮かんでいた。

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