兄弟 ページ4
Aside
オーガスト「Aよ。お主は陛下の事が好きか」
A「は?なに、急に」
オーガスト「陛下は娘を愛しておる。ならばなぜ息子は愛されなかったのか」
A「うああああ」
話ながらも凄まじい攻撃をしてくる。
オーガスト「なぜお主だけ…」
ミストガン「Aはゼレフの娘でも初代の娘でもないだろう」
ミストガンがいつもより低い声でそう言い放った。
A「ミストガン…」
オーガスト「…」
ミストガン「Aは妖精の尻尾の魔導士だ‼‼」
そう言い切り、魔法を放つミストガン。
ミストガン「効く訳ないか…」
A「私もダメだった」
私の魔法もミストガンの魔法も効かない。けれどどんなに強い魔法も弱点はあるハズ。
オーガスト「こやつを殺せばまた正気に戻るか」
A「そんな事させる訳ないでしょ‼」
真っ正面からオーガストの魔法を受け止める。
A「その前にあなたを倒す」
オーガスト「たとえどんな魔法であろうと私には効かぬぞ」
それはどうだろうか。
A「オーガストの魔法は相手の魔法をコピー、無効化する魔法。だから私の滅竜魔法を受けても無傷だった。
だったらなんでミストガンの魔法は避けたの?」
さっきのは効かなかったんじゃない。避けたんだ。
A「道具を使った魔法はコピーも無効化もできないようね」
ミストガン「なるほど…つまりこういう事か‼‼」
ミストガンの渾身の一撃がオーガストに当たる。
ミストガン「倒した…のか?」
A「多分…⁉」
倒したかと思ったが後ろの瓦礫が音を立て崩れる。
オーガスト「私は…生まれながらに強大な魔力を持っていた。ゆえに捨てられ、疎まれ、生きる事の行き止まりの壁に着いた時陛下に命を救われた。
たとえこの身が滅びようともスプリガン12筆頭魔導士オーガスト。この国ごと滅するだけの力は持っておるぞ」
すると大地が震えて始めた。
オーガスト「散れ…灰となりて。我が人生としよう」
急に息苦しくなり、建物も徐々に崩れていく。
A「オーガスト…あなたは…」
ミストガン「A?」
息が出来なく、苦しい。だが私の頭は他の事でいっぱいだった。
A「あなたは…私の兄弟なんでしょ‼」
オーガスト「‼」
A「なんとなく気づいてた…だけどずっと言えなかった……オーガスト、あなたは自慢の家族だよ。きっとメイビスもそう思ってくれる」
すると息苦しさはオーガストと共に消えていった。
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作者名：二次元少女(笑) | 作成日時：2020年5月7日 21時
