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第144話 ページ12

リベラside
〜in アリナレオンバート〜

ーピヨピヨ

朝起きると、窓の外に鳥が止まっていた。

リベラ「え・・・」

清々しい朝日が部屋に降り注ぎ、暖かい空気に包まれていた。




・・・珍しい。

私が、アラームが鳴る前に起きるなんて。

いつも、アラームが鳴っても気付かず寝たままの私を、ルナナが起こしに来てくれる。

今日はいつもと違い、目がバッチリ覚めてしまった。

リベラ「んーー・・・」

布団から起き上がり、腕を伸ばした。

アラームの設定を止めて、今日はもう鳴らないようにする。







今日は、最後の学校。

もちろん、そのことを知っているのは、私の正体を知る人のみ。

学校のクラスのみんなには、今日が最後だからさようなら、なんて言わない。

今日、レナの魔力で、みんなの頭から私の存在した記憶だけが全て消える。

レナとミオ以外に、大して親しい友人は作らなかったものの、どこか寂しい感じはする。

まあ、アリオンの王女である以上、学校を離れるのが寂しいなんて贅沢は言えない。

当然のままに、当然のように行動するだけ。




寝間着から制服に着替える。

リベラ「これを着るのも最後・・・か。」

鏡の前でリボンを整え、バシッと決める。


・・・よし。最後、頑張ろう。

寝間着をハンガーにかけ、クローゼットに直した。






ーそのとき。

ガチャっ

ルナナ「リベラ様・・・あっ!」

突然ドアが開き、ルナナが入って来た。

リベラ「おはよう。」

ルナナ「おはようございます・・・!すいません、ノックもなしに。」

リベラ「いいのよ。いつもの朝なら、ノックしても返事がないからね。」

ルナナは、珍しく私が起きていることに相当驚いているようだ。

そして、私の姿をひと通り見て、不思議そうな顔をした。


ルナナ「今日は・・・お早いんですね。」

リベラ「まぁね。」

私は鏡台の引き出しを開け、中から櫛を取り出した。

リベラ「"最後"だから。」

そう言って櫛を前に差し出すと、ルナナは少し哀しい笑顔を浮かべた。

ルナナ「はい。」

ルナナは私が差し出した櫛を両手で受け取った。









私は椅子に座り、ルナナに背を向けた。

ルナナは失礼します、と言って、私の髪を櫛で梳かした。

いつも髪を結んでくれるのはルナナだ。

私より年下なのに、私の数倍器用。

今日も丁寧に髪をとかしてくれた。

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fruit(プロフ) - ましらさん» もう・・・!何よりの励みになります!!本当にありがとう!いつもいつも支えてくれてありがとう! (2016年12月7日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
ましら(プロフ) - fruitさん» 分かった!fruitちゃんとこの作品は、ずっと追いかけるから!更新遅くなるなんて関係ないよ!更新速い作品だけが良い作品ではないもん。がんばれー! (2016年12月7日 15時) (レス) id: 512c5a6245 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - ましらさん» 初コメありがとう!!!更新はこれからどんどん遅くなって行くと思うけど・・・どうか最後までお付き合いください!これからもよろしく! (2016年12月6日 21時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
ましら(プロフ) - 続編おめでとう!fruitちゃんは更新速いし色々楽しませてくれたり凄い作者さんだよ!続きを待ってます! (2016年12月6日 16時) (レス) id: 512c5a6245 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fruit | 作成日時:2016年12月5日 20時

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