第69話 ページ29
リベラside
「キリト？」
聞きなれない言葉に、ラサゴベアは困惑する。
しかし今は彼に説明している暇はない。
「なんでキリトなのよ」
「だってお前、好きなんだろ？」
「は？」
「キリトとやらを。」
「はっ...？？」
え？
キリトを？
私が？
キリトを・・・？
そんなわけない。
おかしすぎる。
執事と主人なんて...
「馬鹿馬鹿しい。違うわよ。」
私がそう言っても不満気な顔をするリニャーノ。
ラサゴベアは彼女に気づかず声を発した。
「で、知っているのですか？そのキリトさんは、魔力が復活していること。」
「多分...。」
「あなたは知られてほしくはないのでしょう?それなら話しにくいでしょう。」
「まあ...」
「だったら、」
そう言って彼はすっと手を出すと
突然巨大な気配が部屋を包んだ。
そして
ボッ
と
ラサゴベアの手に
炎が上がった。
「消してあげましょう。」
「え!?」
そういうと、拳を握りしめてピカっと眩しい魔力を出した。
「あ...」
待って
今はキリトはいない
みんなが危ない
この危険を察知できてない！！
「って・・・今、キリトはいない！」
そういくら呼びかけてもラサゴベアは部屋の中を進み
「だめ、待って！！」
ドアへと向かっていく。
「待って!!!!」
そう叫んで彼に手を伸ばした
瞬間
ボッと、炎が上がった。
今度は
私の手のひらに・・・
「え...」
そして私はそれを抑えきれず
激しいスピードで迷わずラサゴベアに向かっていった。
「危ないっ...!!」
「え?」
突然炎の気配がし、異変に気づいたラサゴベアは、
自身が発していた魔力をそのまま私の炎の魔力にぶつけた。
そして
その二つの魔力はドカンと轟音を上げて
あたり一面が煙に包まれた。
「はぁ...はぁ...」
魔力が、
私の手から、魔力が。
私は手のひらを眺めた。
震えていた
どうやって出したのかわからない。
怖い
怖い
私は失望した目でラサゴベアを探す。
しかし
その目がラサゴベアを捉えた瞬間
私は目を見開いた。
「ラサゴベア！！！！」
リニャーノはそう叫んで彼の元へ走った。
彼女が駆け寄ったそこには
壁に頭をぶつけて
大量の血を流しながら
気を失ったラサゴベアがいた。
「っラサゴベア!!!」
一瞬で目から涙が溢れ出した。
まただ
またやってしまった
また私は
魔力で人を傷つけた...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fruit(プロフ) - アリスティーナさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!こんな昔の作品を掘り起こして頂いて、しかもそんな素敵なお言葉ありがたい限りです...少しずつ暇を見つけながらまだまだ修正していく予定ですので、もっと上手くかけるよう頑張ります。コメントありがとうございました! (2021年6月1日 17時) (
レス) id: 9e79a81734 (このIDを非表示/違反報告)
アリスティーナ(プロフ) - 面白いです！！！！書き方教えて頂きたいくらいです！！ (2021年5月31日 12時) (レス) id: c1ac6cc63c (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - あいさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません...!とても嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!少しずつ直しておりますので、もっと素敵なお話にできるよう頑張りたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いします! (2021年2月27日 4時) (レス) id: b2a1d0f311 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 素敵な話ですね (2021年1月19日 17時) (レス) id: 1883dbefc1 (このIDを非表示/違反報告)
fruit(プロフ) - 月夜桜さん» おおーーありがとうございます！とても嬉しいです!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fruit | 作成日時：2016年8月11日 0時
