祝の皐月・三 ページ15
* 樹 15才 *
なんなんだ？
この空気
甘ったるくて、男同士が出す雰囲気じゃないっていうか
そんな二人を見ていたくないから、ついきつく言ってしまった
「 ナニしてんだよ。 LIKIYAさんがお前を探してたんだぞ 」
「 ボクだって探してた。 でも、見つけられなくて・・・ 」
「 あちらを待たせるのは失礼になるって、
LIKIYAさんは先に三代目さんの営舎に向かった
俺は、お前を見つけ次第連れて来いって言われたんだ！ 」
「 樹、ごめんなさい 」
シュンとうつむく
そんなコイツの頭を優しくなでるキレイな指先
「 そんなカリカリしないで、樹
引き留めた俺が悪いんだから
なんなら俺が一緒に三代目さんの営舎まで行くよ？ 」
俺、さっきから気になってんだけど・・・
涼太さん、いつまでその手繋いでる気？
「 ダメ、ダメです
ボクが悪いんだから、ボクだけ謝りに行きます 」
「 俺は連れて来いって言われてるんで 」
「 わっ？ 」
「 急ぐぞ 」
本部と営舎を繋ぐ渡り廊下を走る
三代目さんのところに着いたときには、
「 どうした？ なんでそんなグッタリしてんの？ 」
「 な・・とさん、ゼェ・・、い、いつ・・が早く、は・・るから 」
(なおとさん、樹が早くはしるから ※訳)
「 樹、急がせすぎ 」
「 岩ちゃん、飲み物 」
「 はーい、臣さん 」
直人さんに驚かれ、
直己さんに呆れられ、
臣さんに(
岩さんに憐れまれ、
LIKIYAさんには叱られた
そう言えば、後ろで
他の三代目のメンバーさんは笑いをこらえてる
「 俺ら、そんな鬼やないで
少しの遅れくらいかまへんのに 」
健二郎さんが高めの声で俺に言う
「
臣さんの膝の上でコクコク水を飲む
その頭を優しくなでるELLYさんと隆二さん
ん？
涼太さんと同じことをしてるのに、お二人にはなんも感じない
さっきのはなんだったんだ？
*
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作者名：姫保
| 作成日時：2018年10月20日 0時
