Episode 027:vsオーストラリア ページ33
「Aにはすぐ帰ると言ったが……」
少年にしては筋肉質な体つきをした一人の目立つ人物が、観客席からフィールドを眺める。
「このアイザック様がアジアのレベルをしっかりと視察してやるぜ!」
そう、数日前に代表キャンプへと来訪したアメリカのプロ選手にしてAの親友・アイザックである。
「って、Aスタメンじゃねぇのかよ〜……Oh, jeez……」
「……っくし!」
「なぁ、大丈夫か夢野?風邪でもひいたか?」
「いや、ひいてない」
剛陣に単調に答えるA。
「さては誰か俺の噂してるな?……誰かは大体予想がつくがな」
Aは彼の存在を薄々察しているのかもしれない。
「日本対オーストラリア、まもなくキックオフです!!」
実況である角馬のアナウンスにわあっと歓声が上がる。
「──さぁ、存分に暴れてくれたまえ、日本代表諸君。俺との修行の成果を発揮してくれよ?」
Aはふふっと笑い、しっかり観戦しようと前かがみに姿勢を倒すのであった。
試合開始を知らせるホイッスルが鳴り響く。
日本のボールで試合開始だ。
ボールを所持する稲森が相手陣を切り込んでいく。
しかし──
「!?」
稲森は相手選手にボールを渡してしまった。
「どうした明日人!なにみすみす相手にボールを渡しているんだ?」
「そんなつもりじゃ……」
稲森は相手にパスをしたつもりは全くないようだ。
しかし他のチームメイトには……
「らしくないな」
「真面目にやれよ?」
稲森が故意に行ったように見えていた様子。
それだけではなかった。
アスとサルの阻止を試みた吹雪が、サルの手の動きを見るなりすぐさま突破を許してしまったのだ。
「……っ!」
吹雪にとってもこれは不慮の事態だったようで、我に返った時にはかなり焦っていた。
「おい!あいつらなにミスしてんだよ!な、夢野!お前も見たか……って」
稲森たちに苛立ちを示す剛陣が、隣に座るAにそう呼びかけると、
「……すぅ……zzz……」
「試合見てねぇぇええ!?」
なんと眠っていた。
先ほどはあれだけ真剣に見ようとしていたのにも関わらず、熟睡していた。
「こいつ、ほんっと自由人だよなぁ……やる気あんのかよ……」
呆れたように呟く剛陣には、
「……眠る……目を瞑る……ふふ……」
Aのこぼした言葉など聞こえていないようだ。
「体で当たってくるチームのはずなのに…これじゃあ一星が持ってきたビデオと全く違うじゃないか……!」
万作はオーストラリアのプレースタイルに違和感を覚える。
「もしかして、ガセネタだったのか……!?」
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いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» 今見ました!申し訳ありません、なぜか夢野くんのイラストは表示されず見れませんでした…(;_;)でも琴平くんは見れました!やばいです!かっこいいい!!!まさか琴平も描いて頂けるとは感激です!!ありがとうございました!! (2018年11月13日 19時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - 描けました!是非っ!! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» ま、マジですかっ?!お恥ずかしい…では、喜んで描かせていただきますね! (2018年11月13日 18時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
いづう(プロフ) - ハニートースト 通称,ハニトン!さん» ええええ!?本当ですか!?嬉しいです!実は以前ハニトンさんのイラスト集を拝見させて頂いておりまして、上手だなぁ…と密かに思ってたんです!ぜひぜひ描いてください、こちらこそお願いします! (2018年11月13日 18時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
ハニートースト 通称,ハニトン!(プロフ) - いづうさん» 一応wまたまた質問なのですがいづう様の作品の男主さんを描かせていただいてもよろしいでしょうか…?イケメンすぎてほんと辛いんす! (2018年11月13日 17時) (レス) id: b6696be840 (このIDを非表示/違反報告)
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