秘密の存在２【H×H】 (ページ16)

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５５、ゼビル島にてページ16

2番目に船を降りた私は、降りた先で待っていたヒソカに眉を下げた。

「そんな気はしてたけど……」

笑みを深めるヒソカは、表情が戦闘狂のそれに近い。どう考えても、今すぐ戦いたいと目が言ってる。

「そろそろ、キミの力量を測りたくてね……◆」

「今までの試験で見たのじゃダメなの？」

「ボクが直に見てないからダーメ◇」

唇に舌を這わせて、捕食者然としている。戦えば確実に無事じゃ済まなそうな予感がする。

「……戦ってもいいけれど、ヒソカが6点分のプレートを回収してからよ」

「構わないよ……楽しみだね……◆」

揺らめかせていたオーラをしまい、ヒソカが木々の向こうへと消えていく。
入れ違いになるように、背後からイルミが現れる。絶をして近付き、木の裏に立っていたのは知っていたから驚かない。

「ｶﾀｶﾀ……今戦わないの？」

「戦ったらどうなるかわからないでしょう。折角此処まで来たのだから、合格したいじゃない」

「ふーん……大変だね」

カタカタ、と首を揺らしてにやけた顔でイルミが言う。
……針のせいよね？面白がってないわよね？

空を見上げれば、太陽はまだ昇りきっていない。ヒソカと遭遇してから5人は島に入ったはずだ。

「私は行くわ。プレート狙いに見つかりたくないもの」

「ねえ」

振り返れば、イルミは笑みを消していた。

「ちゃんと帰ってきてね」

誰にも殺されず、誰にも害されず。そう、雰囲気が物語っている。
私はそれに笑顔で答えた。囚人の男が出した課題の時のように。

「あまり、舐めないでちょうだいな」

誰が来ようと返り討ちにするから。

＊＊＊

………とは言ったものの。

「うん、さすがに隠れるのに徹すると誰も見つけらんないわよね！」

あれから2日経った。

私の絶はヒソカが絶賛する程のもの。他の念能力者と比較したことがないから何とも言えないけれど、ヒソカ自身の戦闘センスはかなりズバ抜けているはずだ。
となれば、見立ても悪くはないはず。それを抜きにしても、ヒソカとイルミ以外念を知らない者ばかりなのだから視認しない限り見つけるのは困難だろう。

そして、私は木の上にいる。相当気を付けなきゃ気付けない位置だ。
結果的に見つかる可能性はなくなったってわけだ。

「んー、どうしようかしら」

呟いた私の目の前に、誰かのプレートが飛来する。
そしてそれを追う男と……目が合った。