54、そして四次試験へ ページ15
ババ抜き、ダウト、大富豪。
人数が足りないものはイルミか近くにいたボドロを巻き込んでトランプで遊び続け、時にトランプタワーを作って暇を潰し、三次試験は終わりを告げた。
今は、海の上。三次試験をクリアした25名が四次試験会場へと向かう船に乗っているところだ。
「ソフィア!」
呼ばれて振り返ってみれば、ゴンとキルアがいた。
「ゴン、キルアも。お疲れ様ね」
「ねえ、ソフィアは誰がターゲットなの?」
次の試験は狩る者と狩られる者。互いのプレートを奪い合い、6点分のプレートを集めればいい。
自分とターゲットのプレートは3点。それ以外のプレートは1点。だから、ターゲットを狩る方が効率的なのだ。
けれど。
「えっ、ソフィアが当たりなの……?!」
「っゴン!」
「あ……」
ゴンの大きな声が静かな甲板に響き、他の受験者たちから強い視線が送られる。
ゴン達に見せた私のカードは白紙。これは、当たりのプレートを指す。
当たりである私のプレートはこれ一枚で6Pとなり、必然的に狙われる確率が高くなるのだ。
誰が当たりかわからないように隠しきれてたけど、ゴンの今の言葉で台無しになってしまった。
「……ソフィア、ごめん」
「くじ運悪いのな、ソフィアも」
「気にしてないわ、ゴン。それより、”も”ってキルアもくじ運悪かったの?」
「あ、えーと、俺だよ」
ゴンが出したカードを見ると、そこにはヒソカの受験番号である44が書かれている。私は45番だから、間違いない。
三次試験終了の時、出てきたゴンたちを見て嬉しそうにしていたから多分ゴンを殺したりはしないと思うけれど、心配だ。
特に、ヒソカは念を知っている。ゴンは知らないのは見ててわかるから、余計に危険だ。
「あ、ソフィアこの番号知らない?」
キルアが出したカードを見る。この番号は、確か。
「えーと、それなら三兄弟の誰かだったと思うわ。連番で残ってたから、記憶しやすくて」
「サンキュ。助かった」
「四次試験、頑張ってね」
「大丈夫。いざとなったらお前のプレート奪うから」
にっと笑うキルアに、私は思わず笑い出した。
「な、なんだよ」
「奪う気ないでしょう? キルアが三兄弟に負けるとも思えないし」
キルアが赤くなってぷいっとそっぽを向く。褒められ慣れてないのかしら。
「……ま、まぁな。お前、暇なら俺といろよ。ついでに守ってやっから」
「皆の様子を見たいから、暇になったらね」
船は、ゼビル島に到着した。
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勿忘草 - 普通にハンゾーが可哀想www (2020年6月20日 15時) (レス) id: a494dee2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2019年5月4日 21時