秘密の存在２【H×H】 (ページ20)

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５９、キルアの合流ページ20

側まで来ると、しゃがんでつんつんとハンゾーをつつきだすキルア。

「こいつ、どうしたの？」

「ちょっと手合わせに付き合ってもらってね、気絶中よ」

「ふーん……え、お前勝ったの？」

キルアがさっきよりも目を丸くして驚きを露にする。失礼な。

「ソフィア、お前って結構やるんだなー」

「キルアって私のことどんな目で見てるのよ」

「運と持久力だけでここまで来たやつ」

がっくりと下を向く。そりゃそうよね、今の今まで私が戦ったりすることなんてなかったもの。

「お、落ち込むことはないだろ。こいつより強いことはわかったから元気出せって」

オレよりは弱いだろうけどな、と付け足してぽんぽん頭を撫でてくる。正直全然慰めになってない。

「貴方より弱いかなんて、わからないでしょう」

「百歩譲ってスピードはお前が勝ってるだろうけど、他じゃオレには勝てっこないって！これでも暗殺一家のエリートなんだぜ？」

得意気に言われて、溜め息をつく。絶対に私を強いと思ってない。
証明するにしても、戦うのは御免被りたい。

「私、四次試験の最終日にヒソカと戦うのよね」

「はぁ？あいつはゴンのターゲットだろ」

「そろそろ私の実力を試したいんですって。開始の日に戦いたかったみたいだけど、断ったの」

見る？と問いかければ、キルアは難しい表情になった。

「見たいのは山々だけど、ヒソカだろ？」

「俺は見るぞ」

寝そべっていたハンゾーが起き上がる。すっきりとした表情を見るに、ちゃんと全快したようだ。少し不安だったけど良かった。

「ソフィアの強さは実感したからな。あとは客観的に見て、学べるところがあれば是非とも俺の糧にしたいとこだ」

「ふーん。ヒソカがもしソフィアを殺って突っかかってきたら、アンタ、どーすんの？」

「そんときはとんずらする」

「だよなー」

じとっと睨めば、誤魔化すように笑われる。どちらも失礼だけど、反論出来ないのは確かだ。
幾らハンゾーの協力で自身がどこまで戦えるか大方把握したとはいえ、ヒソカは確実に強い。その強さは単純な強さのみじゃない。経験の差も含まれている。

ハンゾーも、確かに強くはあった。
戦闘始めはフェイントの対処に体がついていかなかった。気絶させる気で繰り出される攻撃を避けながら攻撃するのに精一杯だった。
でも、此方が攻撃する隙は確かにあったのだ。

きっとヒソカには、それすらない。