虚像の国の人魚姫【あんスタ】

ウサギは疑問に思う ページ11

sideなずな

何かが変だ。

そう感じたのは数日前。

俺があんずちんに頼んだ仕事を何故かAちんがやっていた。

その仕事は完璧にできていて、そしてそれはあんずちんが俺に持ってきた。

お礼を言うと、「プロデューサーとしては当たり前ですよ！」と笑顔で言われた。

さらに、昨日、プロデュースにやってきたAちんはとても疲れた顔をしていた。

心配になってどうしたのか尋ねると「衣装のデザインが終わらなくて」と言われた。

な「へぇ、Aちんデザインもできるんだな！どこのユニットの？」

「紅月です。あ、といっても私はちょっとアイディアを書く位で実際にそこからデザインするのはあんずちゃんなんですけど」

な「え…あんずちんが？」

「はい。時々頼まれるんです。だから少しだけ」

な「そ、そうなのか…」

やっぱり何かが変だ。

デザインを見たいと光ちんが言い出すと。Aちんは恥ずかしそうにいつもの手帳に描かれたデザインを見せてくれた。

創「わぁ…！凄く素敵です！」

光「ねーちゃんデザインの才能すごいんだぜー！」

創ちん達が褒め称えたそのデザインは素晴らしいものだった。あの三人の雰囲気にも曲にもよくあっている。

でも…

友「これってアイディアなんですか…？」

不思議そうに友也ちんが俺の言いたかったことを言った。

な「全然このままだせるだろー！紅郎ちんも喜ぶと思うぞ？」

「いえ、そういってもらえると嬉しいけど…やっぱりあんずちゃんが直すととっても素敵になるんです。流石だなぁっていつも尊敬してます」

楽しそうにAちんが言う。

な「ふーん…」

なんとも言えない変な気持ちになった。

光「本当にかっこいい衣装なんだぜ！にーちゃん、今度Aねーちゃんにデザイン頼もうぜ！」

光ちんがいった言葉に我に返る。

な「うん、そうだな！今度頼んでもいいか？」

「本当ですか！？私でいいなら是非！」

と、とても嬉しそうに笑ってくれた。

…と、まぁ、そこで話が終わってたらよかったんらけど…

それを知るのはもう少し先の話。

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