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あの｢約束｣の話を、こんなに真剣に話したのはあの時以来だ。いや真剣にというなら初めてかもしれない。
蒼碧と真紅の瞳が交わる。宮舘はどうしたらいいのか、というような目で此方を見ていた。
渡辺はきちんと感じていたのだ。ここ数年、あの件以来から、宮舘はずっと｢あの約束｣に縛られ続けていた。
自分の小さな箱庭が世界の全てだと言いたげに、渡辺がどう思っているかを勝手に想像して、それが本当だと言いたげに。
彼はいつも渡辺の1歩先を歩いている。
されど、それが渡辺に諭させないように自分の不安も悲観も全て小さな箱庭に詰め込んでいた。
知っていた。全て知っていた。知っていて尚、渡辺は黙っていた。
だけど、｢約束｣が原因で自分を置いて1人で死に急ぐような真似をするくらいなら、
守られなくていい。宮舘のいない生活に自分はきっと耐えられないから。
宮舘｢…泣くなよ｣
渡辺｢泣いてないよ｣
宮舘｢潤んだ目で言われても説得力がないんだよ｣
困ったように彼は溜息をつく。溜息をつきたいのはこっちの方だ。
宮舘｢…帰ろう。帰りながら話そう｣
もうほとんど乾いた服が、どれだけ時間が経ったかというのを表していた。
渡辺｢…ねぇ｣
宮舘｢何｣
渡辺｢もうとっくに｢約束｣は果たされてるんだよ｣
宮舘｢いつ｣
渡辺｢ずっと｣
宮舘｢は？｣
渡辺｢俺は、いつもお前に守られてばっかりだから。今日もそう、いつぞや佐久間が女装した時のパーティーもそう、その前からずっとそう｣
宮舘｢でもあの時お前は｣
渡辺｢あの時も俺を守る為に撤退した。あれで破った、ってまだ言うつもりなの？｣
お互いもうネックレスをつけている。
黒に近い焦げ茶をした瞳が覗いている。
渡辺｢…俺は、涼太と一緒に戦えるだけで充分だよ｣
宮舘｢…｣
渡辺｢本当は狙撃手同士で立ちたいけど、情報伝達部に行って、司令部と狙撃手に分かれてっていうのでも、一緒の戦場で戦えるだけで、それだけで充分だよ｣
宮舘｢…翔太、｣
渡辺｢だからそんな｢約束｣、こっちから破棄してやる。願い下げ｣
宮舘｢…いつも、お前は俺の弱みをすぐ見つけるし、ちゃんと潰していくな｣
渡辺｢当たり前。何年幼馴染みやってると思ってるの｣
生まれた時からの運命共同体、今更いなくなられると困るのだ。
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サラダ(プロフ) - 湊都さん» ありがとうございます！ちなみにめめは佐久間のこと君づけします、。ホントにたくさんすいません、！ (2020年2月14日 22時) (
レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - サラダさん» ありがとうございます（土下座）。呼称は本当にわからないのでありがたいです。書き直します。 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紅一点小説を書いているものです。Twitterで見かけて読んでみたらはまりました！！ページ21の紫色の目をした軍人というあたりで"ふっかくん"と読んでいますが、康二君は"ふっかさん"って言います。ぜひ知っていていただきたいです！！ (2020年2月14日 19時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - 湊都さん» お答えいただきありがとうございます。あべさくですね！色の表現も素敵です！変な質問失礼しました。 (2020年2月5日 20時) (レス) id: aae655c3b8 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - かごめさん» ありがとうございます。刺さっていただいたようで何よりです (2020年2月5日 19時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年1月30日 1時
