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宮舘は川に落ちた時に意識を失ったのだろう。
グッ、と重くなった彼と共に何とか水面上に浮かび上がり、何とか川岸へと上がる。
無線は当然駄目になってしまっている。
しまったなぁ、ここからどうやって始末しようか。

びしょびしょに濡れた軍事用つなぎが、山岳地帯付近の風に吹かれて身体が冷える。
幸い渡辺自身に怪我はない。彼は宮舘を背負うと、上流の方へと足を進める。
敵は山に入りそうなところにいた。
最終、敵とエンカウントすればまだ勝算がある。
何も言わぬまま、足を進めた。

どれくらい歩いたかわからない。
夕焼け空になってきたような頃、微かな自分のものでは無い服ズレの音を渡辺は感知した。
その方向に目だけを動かすと、人影が見える。
宮舘をそっと下ろし、自らのネックレスを外すと宮舘の服の胸ポケットに入れた。

蒼碧の目が敵を捕える。
出来る限り近付き発砲、突然の敵襲に目を丸くする敵兵は、彼自身の瞳をしっかりと捉えていた。
渡辺「どうも、貴方たちの殲滅作戦にやってきました「渡辺翔太」です以後お見知りおきを!」
これで条件の内2つは達成された。
後は、自分に命令させるだけ。

が、敵は無言で、無我夢中に撃ち続ける。
余計な情報を吐かせないようにさせているのか、どちらにせよこのままではこの蒼碧が意味をなさない。
銃撃の腕前で、数を減らしつつある敵軍だが、このままでは自分の弾薬も底を尽きるかもしれない。

歯を食いしばる。その時だった。
銃を向けていた敵兵たちが一斉に胸を抑えて倒れ出した。
事の次第を理解する前に、その原因は明かされた。

宮舘「…悪かったとは思ってるよ」
背後から、もう何十年も聞いた声がする。
真紅の目をした彼が、立っていた。
渡辺「…涼太」
宮舘「でもだからって、翔太が1人で戦う必要ないじゃん」
渡辺「…あのさぁ、それ単騎突入した人が言う台詞?」
宮舘「だから、それは悪かったと思ってる。でも、」

渡辺「俺はあんな約束、大事に思ってない。破ったのは涼太じゃない、俺だよ」

*→←06:蒼碧は意志ある彼に依存する



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サラダ(プロフ) - 湊都さん» ありがとうございます!ちなみにめめは佐久間のこと君づけします、。ホントにたくさんすいません、! (2020年2月14日 22時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - サラダさん» ありがとうございます(土下座)。呼称は本当にわからないのでありがたいです。書き直します。 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 紅一点小説を書いているものです。Twitterで見かけて読んでみたらはまりました!!ページ21の紫色の目をした軍人というあたりで"ふっかくん"と読んでいますが、康二君は"ふっかさん"って言います。ぜひ知っていていただきたいです!! (2020年2月14日 19時) (レス) id: a856ca8d9b (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - 湊都さん» お答えいただきありがとうございます。あべさくですね!色の表現も素敵です!変な質問失礼しました。 (2020年2月5日 20時) (レス) id: aae655c3b8 (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - かごめさん» ありがとうございます。刺さっていただいたようで何よりです (2020年2月5日 19時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:湊都 | 作成日時:2020年1月30日 1時

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