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「違う。胸の所をもっと強く押さないと心臓のところまでいかない」


『はい!』


「脈の測り方分かるか?」


『はい、勉強してきたので…』


「今何歳だ」


『16です!役柄では28になります!』


「そうか実際はもっと過酷だ。沢山の患者を見る。亡くなる患者もだ。」


『はい、患者の人生を左右する事が多い』


「……俺は恩師の足を切断した。」


『え…』


「その状況ではそれが1番だった。だが恩師は、もうメスを握れない。」


『……私の役柄…多分黛先生がお手本なのかも知れませんね……

私のやる役柄は人の前で冷たく冷静沈着に…
ただ1人の相手にしか心を許さない役柄です。

どう表現しようか迷ってたけどこれで吹っ切れました。


ここからは練習に集中します』


「そうか。これはペアンだ。これが小児用チューブ…もしもの時はこれで止血する事も多々ある。」


『私ガーゼパッキング?は何となく分かるんですがこれって出血箇所にガーゼで止血するで合ってますか?』


「そうだ。注意点はガーゼを外す時に臓器を傷付けないように外さないといけない。失敗したらまた同じ様にガーゼを詰めなくちゃいけなくなる。」


『そうなんだ…でもそれって患者の体力って』


「あぁ限界に近づく。」


『……』


ピピピ

「悪い練習はここまでだ。何時でも来い。空いてたら教えてやる。」


『ありがとうございます。』


「A、お疲れ様だな。」


『おっと…神崎さんお水投げちゃめ!』


「娘みたいな事言うなよ〜
で、どうだった。」


『いい経験になった。もっと練習積み上げて役柄に近付けるようになりたい。』


「その意気だ。だがこれからQueenの撮影だ油断するな」


『うん。』

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作者名:reina | 作成日時:2018年7月13日 0時

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