【カゲプロ】信じ合えば、きっと。3 (ページ36)

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第百話ページ36

私は真っ暗な空間＿＿＿いや、世界で黒い人に手を握られながら歩いていた。

「もう着くぞ。」

そいつはそう言いながら私の方を振り返った。

「…ねえ」

「何だ。」

「………名前。」

「…そうだな、俺はコノハってやつの黒いバージョンの黒コノハだ。」

「…コノハ？」

「まあ、そいつはまたいつか会ってみれば分かるさ。」

「…何て呼べばいい？」

「……クロハで。」

「クロ、ハ……。」

私がそいつの名前を繰り返すと、視界の先に黒髪の蛇をまとった女の人が見えた。

その人は、ひどく不機嫌な顔をしていた。

「全く、何をやっているんだ、お前は。自分から立てた計画が泡になった後にこの様だぞ。どう責任を取ってくれるのだ。」

「申し訳ありません、主。以後は、そのような事はありませんから。」

クロハはその女の人がしゃべるなり、その人に跪いた。

「あ、あなたは…？」

「…お前は、以前ここに来たやつだな。私は、アザミと言う。」

「アザミさん…？」

私は以前もここに来たのだろうか。

「私が以前来たって…どういう事ですか？」

「お前はまだ知らんのか。まあいい。それよりお前、目の能力をまだ閉じているだろう。蛇がお前自身の片隅に隠れているぞ。」

「…私の体に蛇がいるんですか？」

「ああ、そいつはこいつによって造られた蛇だ。なんとまがまがしい事か。」

アザミさんは未だに跪いたクロハを横目で見た後、大層呆れた顔をした。

「…その能力が閉じてるせいで、私、ここから出られないんですか？」

「ああ、そうだ。だから、私の造った蛇をお前にやる。そうすればその能力の封印は解けてしまうが、ここから出られるだろう。」

「蛇、って…どんな？」

「お前の望んだ、想像する世界を描く能力の蛇だ。」

アザミさんは、手のひらに一匹の黒い蛇を乗せた。

「望んだ…？」

私には、わけが分からなかった。

「お前はお前の造った蛇が暴走しないように見張りをしろ。自己責任もあるしな。」

アザミさんはクロハにそう命じた。

「分かりました、主。」

クロハは立ち上がって敬礼した。

「さあ、目を覚ますのだ。A。」

アザミさんにそう言われた後、蛇が取り付く様な感じがして、痛みが走った。

「うっ…。」

その瞬間、クロハに取り押さえられ、私は意識を失った。

第三章破れたページの続き fin