第八十二話 過去編 ページ17
雅樹は、幼稚園の頃からの腐れ縁だった。
だが、小学校でクラスが離れて以来、全く話す事はなかった。
雅樹はその小学生の時に、母親を病気で亡くしたそうで、今は父親と二人暮らしらしい。
小学校の時から周りの人いわく、真面目と言われているらしいが、私から観たらただの楽観的な考えを持つおちゃらかす人にしか見えない。
まあ、真面目なのは事実だが。
雅樹「図書室は行かないのか。」
A「人が多いから。」
雅樹「そうか、そういえばお前、図書委員だったんだろ。」
A「そうだけどさ…。」
雅樹「俺もだぞ。」
それを聞いた瞬間、何かが脳内で砕ける音がした。
A「は?」
雅樹「だから、俺も候補してなったんだって。図書委員。」
___ありえない。
確かにこいつも本好きだが。
「やっぱり知らなかったのか。今日当番の日だぞ。」
A「うっ…嘘……?!」
雅樹「俺はお前を呼んでくるよう言われただけなんだよなー。」
A「わ、わかったよ!今行くから!」
最悪だ。
しかも今日が当番だったとは。
すっかり忘れていた。
本当に、雅樹はおちゃらけなやつだ。
しかも、中学を境に自宅へ何かとつっかかってきた。
雅樹「ほー。お前もパソコンなんてやってたのか。」
A「やってるし…。てか矢倉はパソコンばっかでしょ?」
雅樹「そう、だからパソコンの事なら何でも知ってるぞ。」
A「…そうですか。」
これは本当に腐れ縁だと信じたい。
なぜ家にまで上がってくるのだろうか。
しかも、図々しい時は晩ご飯まで食べて帰った。
なぜこれほどまでに傲慢なのだろうか。
あの時の私はいつもこんな事を考えていた。
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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/
作成日時:2014年1月20日 2時