日常、久方ぶりの。 ページ6
丸「父さん!?」
跡「Aの…父親?」
あ、えー…っと、正直私もよくわかりません。なんで父さんがこんなところに、そしてなんか重要なお客っぽいんだが。
…でもそれは差し置いて、
貴「父さん久しぶり、あと、お帰り!」
飛びつく。背が高くてすらっとした父さんは、私を軽々受け止めて、
薫「ただいま。こんな予期せぬところでお帰りを言われるとは思わなかったな」
私だって言うとは思わなかったよ。
…でも、なんでだ?
貴「跡部に質問! 父さんはなんでここにいるの?」
なんか父さんに聞くより手っ取り早そう。
跡「あ、ああ…この方は、我らが跡部財閥の顧問弁護士、櫻木薫弁護士だ…。姓が同じだったことには驚いたが、まさか親子だったとはな。通りで…」
言葉を切って私をしげしげと眺める跡部。
貴「通りで、こんな跳ねっ返り娘だって?」
おいコラ頷くなやその他大勢、大きなお世話じゃ。
薫「そういうAは…ああ、そうか、シホが言ってたな、テニス部のマネージャー……成る程、ご子息も、テニスをされているとは聞いていたが……」
貴「すごい偶然だよね。……あ、あー、成る程納得、なーんか跡部の名前に聞き覚えあったなーとか思ったらそうか、父さんだったんだ」
ぽんと手を打つと突っ込まれました。
白「なんでやねん! 今の今まで気づかへんやったんかい!」
貴「だって父さん、滅多に家帰って来ないし、帰って来たって仕事の話なんてしないし」
バカップルだからねこの夫婦。
幸「だけど、不思議だね、Aと俺たちは、なんだか不思議な縁がある」
ぽつんと呟く精市、だけどなんかあんたが言うとそれも怖い。
貴「父さん、結構偉かったんだね」
跡「偉いもなにも、この人無しでは今日の跡部財閥はないぞ」
そんなに!?
と、私は父さんの顔を改めて見た。
貴「へー…そうなんだ」
なんか嬉しいな。
…あれ?
貴「でも、父さんは予期せぬ客なんでしょ? ここに来たのも、偶然?」
跡「少なくとも俺は聞いてねえ。しかも、本家ならまだしもこんな辺鄙な別荘なんかに櫻木氏を呼ぶなんざ…」
辺鄙な? この屋敷が、「なんか」? …金持ちめ。
というのは置いといて、父さん、そんなに敬われてるんだ…。
薫「ご子息、そんなことを仰らず。その手違いのおかげで私は予定より早く娘に会えた、これ程までのもてなしはありませんよ」
なんか、跡部が、父さんがここにいられるよう本家に連絡してくれるって。
……偶然、かあ。本当、不思議な縁だな。
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椿(プロフ) - NANOMANOさん» ありがとうございます!!! 私も、ツンデレコンビのデレは大好きです。財前君もっとデレろ…! (2014年11月6日 21時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
NANOMANO(プロフ) - 財前が可愛いです。ものっそい可愛いです。デレをありがとうございます。いつでも応援します!ファイト! (2014年11月6日 3時) (レス) id: f5d752c2cb (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - キー子さん» ありがとうございました!! 続きは…うん、これ以上のカメですが、お付き合い頂ければ幸いです。 (2014年11月1日 22時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 七夕♪さん» 光栄です! こんなカメ足にお付き合い頂き、ありがとうございました! (2014年11月1日 22時) (レス) id: f85a5f48fd (このIDを非表示/違反報告)
キー子(プロフ) - お疲れ様です!日常にスポットを当てていて親近感がわくお話でした(^ν^)続編があるのならば是非また応援します!絶対!! (2014年11月1日 22時) (レス) id: 9a1f8b418f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2014年6月8日 19時